“意図的”だった6位入賞 角田裕毅はなぜ5位ローソンを抜かなかったのか 激走の裏にあった王者への献身「大きな違いになるぞ」
ライバルにオーバーテイクの余地を与えない角田の“けん制”は厄介なものとなっていた。英衛星放送『Sky Sports』でノリスは、「自分(の走り)が悪かったとは思ってない」と強調。その上で「今日はツノダをオーバーテイクできるチャンスが最後の最後まで訪れなかったんだ。ある局面では彼が信じられないほどの速さを見せたからね。僕としてはついていくのに必死な部分もあった」と正直に打ち明けている。
無論、相棒のタイトル獲得の可能性を高めた角田の献身性はチーム内で高く評価されている。担当エンジニアのリチャード・ウッド氏は無線を通じて「素晴らしいよ、ユウキ! 本当に最高の努力をしてくれた。君の努力が報われたんだ。これは大きな違いになるぞ」と絶賛。
また、ローラン・メキース代表もF1公式のフラッシュインタビューで「非常に力強いレース運びだったし、マクラーレンとフェラーリを後ろに抑え込んでくれた。ユウキはクリーンな週末を必要としていたが、それを見事にやり遂げ、チームにとって重要なポイントを持ち帰ってくれた」と褒めちぎった。
果たして、バクーで見せた角田の“逆襲”は何かと喧騒が尽きない去就問題にいかなる影響を生むのか。チームとはサマーブレイク後の10戦で判断する方針で合意している中で、「噂を楽しませてやればいい」と集中力を高める25歳のパフォーマンスに興味は尽きない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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