二冠王捕手への「低評価」に米記者たちが反発 ジャッジが手にしたMVPの“価値”を問う「到底信じられない。ありえない」
MVPを手にしたジャッジ。その評価は異論の声も上がった(C)Getty Images
わずかな差が運命を分けた。
現地時間11月13日、全米野球記者協会(BBWAA)は、30人の所属記者の投票によって決まる25年シーズンのMVPを発表。アメリカン・リーグでは、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)が2年連続3度目の受賞を決めた。
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図抜けた打撃成績だけを見れば、ジャッジの戴冠は“妥当”と評価できる。キャリア初となる首位打者(.331)を獲得した33歳は、53本塁打、114打点、OPS1.145など軒並みハイアベレージをマーク。リーグでも屈指のスラッガーとして活躍した。
昨今の米球界は「Most Valuable Player」における「価値」部分の定義は様変わりし、より突出した個人のパフォーマンスを評価する風潮にある。そうした時代の流れを考慮すれば、打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して、選手の貢献度を表す指標「WAR」で両リーグトップの10.1をマークしたジャッジの戴冠は「必然」と言えよう。
もっとも、今投票には不満の声も少なくない。2人の記者が1位票を入れなかった結果による20ポイント差の2位と敗れたカル・ローリー(マリナーズ)に対する評価が伸びなかったからだ。
無論、ローリーもジャッジに比肩する歴史的な1年を送ったからこその反響だ。24年ぶりの地区優勝を果たしたマリナーズを捕手として統率した28歳は、捕手として史上最多の60本塁打と125打点を叩き出して二冠王に。さらにOPS(.948)、長打率(.589)と好成績を収めていた。






