ノーヒッター「ライアン」小川 ほか プロ野球界・現役選手ニックネーム伝説
ヤクルトの「ライアン」こと小川泰弘投手(30)が快投を演じた。15日DeNA戦(横浜)で史上82人目(通算93度目)となるノーヒットノーラン(無安打無得点試合)を達成。セ・リーグでは19年大野雄大(中日)以来40人目。ヤクルトでは06年ガトームソン以来、日本人投手では97年石井一久(現楽天GM)以来の偉業となった。
小川のニックネーム「ライアン」は、メジャー324勝投手のノーラン・ライアンを参考にした左足を大きく上げる投球フォームが由来。171センチと小柄ながらダイナミックな投法で、プロ1年目から16勝をマーク。最多勝と新人王を獲得する活躍でメディアにも取り上げられ、「ライアン」の名が知られていった。
加えて、入団時の監督が同姓の小川淳司監督。チーム内では「小川!」と呼び捨てにしづらい状況だったこともあり、チームメートやコーチスタッフからも「ライアン」の名で親しまれた。小川が台頭すると、アマ球界で足を高く上げる投手がいれば「●●(学校名、地名)のライアン」と呼ばれるほど、市民権を得た。
多くの愛称が時代を彩ってきた。「ミスター」といえば長嶋茂雄、「青い稲妻」が松本匡史、「ブンブン丸」池山隆寛に、「大魔神」こと佐々木主浩、「ゴジラ」の松井秀喜…。名前を言わなくてもどの選手かわかるのが、本当に定着したニックネームといえるだろう。
「ライアン」小川のように、現役選手の特徴的なニックネームを紹介したい。「マー君(田中将大)」「マエケン(前田健太)」といった名前に関する呼び方ではなく、独特のプレースタイルや風貌、言動などからつけられた愛称を集めた。
◆「おかわり君」西武・中村剛也
本塁打王6度の強打者が、1軍デビューしたころのお立ち台で言った「好きな言葉は『おかわり』」がきっかけ。100キロを超える体型で、ご飯もホームランもよくおかわりするイメージと相まって球界内外で定着。絶妙のネーミングで、「西武の中村選手」より「おかわり君」と聞いたほうがピンとくる人のほうが多いかも。
◆「熱男(あつお)」ソフトバンク松田宣浩
15年チームスローガンだった「熱男」を普及させようと、本塁打パフォーマンスとして使用。ベースを周回して戻ったベンチ前で、スタンドに向けて右手を下から突き上げ「熱男」と叫ぶ。観客と一体になって喜びを分かち合えることから、スローガンが変わった16年以降もファンサービスとして継続している。
◆「アップルパンチ」西武・外崎(とのさき)修汰
青森の実家が営むリンゴ農園からくる「アップル」と、打撃に「パンチ力」があることから。人気アニメ・アンパンマンの「アンパンチ」にもかかっている。外崎が活躍すると、ツイッターで「アップルパンチ」のハッシュタグをつけて喜び合うのがファンの楽しみになっている。