「もう誰も強制したくない」目の当たりにした米女子リウの“輝き”に本音吐露 露名伯楽が漏らした“スパルタ指導の限界”「選手が犠牲者のような表情で練習に来る」
ロシアで一時代を築いたトゥトベリーゼ氏は、自身の指導法を見直しているという(C)Getty Images
剛腕コーチが考えを改めたリウの金
この冬、世界中に小さくない娯楽を提供したアスリートの一人が、女子フィギュアスケート米代表のアリサ・リウだ。弱冠二十歳の天才は、ミラノ・コルティナ冬季五輪において団体戦とシングルで金メダルを獲得。氷上で見せる創造性に溢れた演技と天真爛漫な性格は、多くの人々の心を鷲掴みにした。
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「たとえ失敗をしても、むしろ、そこに何かが残って物語になる」とも語ったリウは、他人に決意を左右されずにキャリアを歩み、ついには五輪の頂点に上り詰めた。そんなニュースターは、フィギュアスケート大国であるロシアの剛腕コーチからしても、“異質な存在”として映っていた。
ロシア・メディア『Sport24』のインタビューに応じたエテリ・トゥトベリーゼ氏は、リウについて意見を求められ、「彼女が多くのアスリートと差別化され、世界中から愛されている理由は、目の前で起こっていることを、何から何まで心から楽しんでいるからよ」と断言。そして、その姿勢を「正しい」と論じた。
過去にエフゲニア・メドベージェワやアリーナ・ザキトワなど数多の名スケーターたちを育て上げてきた。“鉄の女”の異名が物語る彼女のドラスティックな指導法は、時に物議を醸すが、多くの門下生が五輪の頂点を争ってきた流れを考えれば、その手腕は疑いようがない。
ただ、そんなトゥトベリーゼ氏にとっても、リウの存在は、自身の指導法を根底から覆されるものだったという。
「昔から彼女は自然体だった。私はジュニアグランプリファイナル(2019-20シーズン)で彼女を見たことがあったのだけど、彼女がやってきた時には、更衣室は満杯状態で、ウォームアップする場所すらもなかった。
精神的にも追い込まれている選手にとっては辛い状況だけど、彼女は笑顔で、自分のスーツケースの上に座って、シューズの紐を結んでいたわ。本当にずっと笑顔で、起こっていることを楽しんでいたの。あれこそ、私たちの選手たちにどこか欠けているものだと思った」
自分の門下生が「置かれている状況に感謝することもできない」と明かしたトゥトベリーゼ氏は、こうも続けている。
「私たちの周りでは、『かわいそうな子、なんて過酷な練習なの』とか『子ども時代を奪われている』という声が絶えず聞こえている。でも、私は彼らが幸せな子どもであり、選ばれた選手なのだと思っていました。もう教育を強制して、子どもを縛り付けるべきではないと考えています」







