「9月入学・新学期」案が採用された場合は、「秋の甲子園」に?!9月入学のメリット・デメリット
夏の甲子園はなくなってしまうのだろうか・・・
新型コロナウイルスの感染拡大で、全国的に学校が休校になっていることに伴い、「9月入学・新学期」案が浮上している。世界の先進国は9月入学が大勢を占めており、これを機に日本も変更すべきという意見も少なくない。
もし実現した場合、野球界も大きな影響を受ける。国民的イベントでもある高校球児の甲子園大会はどうなるのか。高校野球の観点から、9月入学のメリット、デメリットを探ってみる。
◆時期は?◆
9月入学では、7~8月が卒業シーズン。毎年8月に甲子園で行う選手権大会(夏の甲子園)を、3年にとって最後の大会とするのか、1、2年だけの大会にするのか、議論が分かれそうだ。
それより、毎年大きな課題となっている酷暑の熱中症対策として、開催時期をずらす方が優先されるべきだろう。暑さは年々厳しさを増し、過密日程で行われる夏の大会は、選手だけでなくスタンドで観戦するファンも熱中症で倒れるケースが続出している。
たとえば、新3年による「秋の甲子園」にすれば、熱中症リスクに関しては大幅に軽減される。春の選抜大会も含めて開催時期を見直し、出場対象学年や地方予選を決めるなど対応していく必要がある。
◆場所は?◆
仮に「秋の甲子園」となれば、甲子園を本拠地にする阪神タイガースと日程調整する必要がある。学校の入学時期が変わるからといって、プロ野球の開催時期に影響することは考えにくく、秋はシーズンが佳境に入る優勝争い、ポストシーズン(クライマックスシリーズ、日本シリーズ)の時期と重なる。阪神にとって、春と夏に敵地で試合をすることはそれほど問題ではないが、シーズン終盤の大事な期間に本拠地で戦えないことは圧倒的な不利になる。プロも巻き込む球場確保が、最大のネックになる可能性もある。