「9月入学・新学期」案が採用された場合は、「秋の甲子園」に?!9月入学のメリット・デメリット
◆ドラフトは?◆
毎年10月に行われるドラフト会議の実施時期も問題になる。例年であれば、3年最後の大会が8月には終了し、10月のドラフトでプロから指名されて合意すれば、1月に入寮し、2月にキャンプ、実力があれば3月の開幕から活躍できる。
これが9月入学となると、ドラフト開催が新3年になって1か月の時期。それまでに甲子園を目指す大会が終わっていれば、ドラフトに対応できるかもしれないが、翌年7、8月の卒業まで期間が長く、ケガのリスクもあり、進路や就職などを考えても10月のドラフト開催は現実的でない。
9月入学の米国では、メジャーリーグのドラフトが6月に実施される。シーズンの真っ最中だが、ドラフト指名選手のほぼ全員がマイナーリーグからスタートし、環境にならす準備期間にあてる。どんなに評価が高い選手でも、日本のように開幕即1軍(メジャー)に上がって活躍するケースはほとんどない。
仮に日本で6月にドラフトを行うことになった場合、助っ人外国人のようにシーズン途中からプレーさせるのか。1年目シーズンは準備期間とするのか。「平成の怪物」松坂らのように、開幕から活躍するスーパー高卒ルーキーは見られなくなるかもしれない。
これらのように、9月入学案への対応には課題が山積している。だが、コロナウイルスの影響でプレーしたくてもできない球児の夢をつなぐことが、いまは最優先されるべき。高野連は3月の選抜大会を初めて中止としたが、開催をギリギリまで模索しながら「命より大切なものはない」と判断した結果だった。伝統のしがらみや損得でなく、今回のような選手ファーストの視点が、高校球界を変える新たな1歩になるかもしれない。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]