2018年W杯直前のゴタゴタ劇…本番2か月前のハリル電撃解任はなぜ起きたのか──ロシア大会の舞台裏

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ロシア大会はラウンド16でベルギーに敗れ、涙をのんだ(C)Getty Images

 それでも、JFA側は2017年8月末のロシアW杯アジア最終予選突破以降もハリル体制を維持。本番に突入すると見られていた。それだけにこの電撃解任には誰もが驚かされた。

 西野監督率いるチームが始動したのは5月21日。初戦・コロンビア戦は6月14日だったから、準備期間は約3週間しかなかった。もちろん監督が代われば選ばれる選手も変わる。3月遠征で呼ばれていた森重真人(FC東京)、森岡亮太、久保裕也、中島翔哉(浦和)らが外され、岡崎慎司(バサラ・マインツ監督)、乾貴士(神戸)、香川、武藤嘉紀(神戸)、柴崎岳(鹿島)らが選ばれたのだ。そういった面々の抜擢は、西野監督の「ボールを保持して攻める時間を増やしたい」という意向の表れ。「デュエル」や「守備強度」「タテに速い攻め」を重視するハリル監督とは選手の好みが全く違うのだから、当然と言えば当然かもしれない。

 結果的にハリル監督が重用していた久保は落選。浅野拓磨(マジョルカ)や井手口陽介(神戸)も本大会直前までチームに帯同しながら、最終的に落選。割を食った格好となった。ハリル体制で最終ラインの要を位置づけられた槙野智章(藤枝監督)、ボランチの主軸となっていた山口蛍(長崎)も控えに回ることになり、悔しさを味わったことだろう。

 まさに悲喜こもごもの大会だったが、西野監督体制のチームは躍動感を取り戻し、コロンビア、セネガル、ポーランドという難敵揃いのグループを突破。ラウンド16まで勝ち進んだ。ハリル体制で重用されていなかった乾が2ゴール、本田も1ゴールを挙げるなど、2か月前とは全く別のチームに変貌したのは確か。本当にW杯は戦ってみなければ分からない体感だと痛感させられた。

「1人1人が自分の意見を言った方が代表はもっと世界でやれるんじゃないかって。その意見をぶつけ合うことを監督が許してくれて、監督がまとめて、こういうチームになっていったのかな」と岡崎はベルギーに逆転負けした”ロストフの惨劇”の後、しみじみとこう語っていたが、ハリル監督に抑圧されていたものを解き放つチャンスを得たことで、この時の代表は好結果を残せたのかもしれない。

 ただ、大会直前の監督交代がいい方向に転がるとは言い切れないし、そういうことはこの先も起きてほしくない。今の森保一監督には8年間の蓄積を最大限生かした戦いを2026年北中米W杯で示してほしいものである。

[取材·文:元川悦子]

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