女性救出の長与千種に、極悪同盟も絶賛「正義の味方」
女子プロレスラーで、元クラッシュギャルズの長与千種(ながよ・ちぐさ=53歳)が、夫から暴力を受けていた女性を救い、暴行被害を受けながら相手には一切手を出さなかったことが報道され、称賛の声が集まっている。
長与の説明によると、事件が起きたのは11月19日の午前3時10分ごろ。自ら代表を務めるプロレス団体・マーベラスの札幌興行を終え、市内で後輩とジンギスカンを食べてホテルへ戻る途中、女性の悲鳴が聞こえた。
「助けて」「もうやめて」
警察へ通報した後、声のする立体駐車場の3階に駆け上がると、男が女性の上に馬乗りのようになっていた。夫婦げんかだった。男は175センチの中肉中背。スカートがはだけ、擦り傷で血を流していた女性を見て、165センチの長与が仲裁に入った。
「女の子に何やってるの、離れて」
女性を解放した瞬間、男が両手で長与の髪をつかんできた。「髪の毛がブチブチ抜ける音がした」。顔を地面につく寸前までおさえこまれ、振りほどこうとして左手小指を負傷。「骨に違和感があって『ああやったな』って。普通だったらそこで腕を決めるが、その瞬間に技になってしまう。ちょっとでも手を出すと、女子プロレスの歴史に傷をつけてしまうし、(所属している)若い子の人生もダメにしてしまう」と怒りをこらえ、防御に徹した。
現場に向かってから約5分後、駆けつけた警察官に取り囲まれたのは長与だった。「私じゃないんですけどって(笑)。刑事さんがすごく丁重に『勇気を持ってやっていただいた』と言われたが、当たり前のことをしただけ。相手が危険な物を持っているかもしれなかったが、やっぱり傷を負っている女性がいるのに、見て見ぬふりはできなかった」。酒に酔っていた男は、暴行の疑いで現行犯逮捕された。