トヨタガズーレーシングが表彰台を独占したWRC最終戦 豊田スタジアムの特設コースに来場者は満足したが
林道を通るトヨタの勝田貴元(トヨタ自動車提供)
愛知県、岐阜県の山間部などを舞台に11月16~19日に世界ラリー選手権(WRC)最終戦ラリージャパンが開催され、トヨタ自動車のワークスチーム、トヨタガズーレーシングが表彰台を独占。同チームの4人目の選手で出場した愛知県出身の勝田貴元も総合5位でフィニッシュした。
ラリージャパンは復活開催2度目。2004年に北海道を舞台に始まり、10年まで開催。今回はトヨタがシリーズに参戦していることもあり、お膝元での東海地方での招致に成功。今年の大会の来場者数は有料観客席来場者、イベント会場、沿道応援すべてを含め、53万6800人と発表された。
北海道開催時代は1990年代のオフロード車ブームの余韻を残し、スバルがワークス活動を継続。一定層の人気を集めたが、F1などに比べると全般的な知名度はいまひとつだった。
今回の第2次ラリージャパンは新型コロナウイルス禍で2021年の開催が中止となるなど厳しい船出となったほか、観客の安全を第一にするため、林道ステージには有料観客エリアを設定し、沿道の民家を除いて競技区間への自由な立ち入りを制限した。そのため前売りチケットが早々に売り切れになるなど、生観戦できないファンも続出した。
そこで今年は球技専門競技場の豊田スタジアムのピッチ内に走行コースを特設。わざわざピッチの芝をはがし、砂利を敷き詰めた上をアスファルト舗装。競技車両2台が同時スタートしてスピードを競う「デュアルスペシャルステージ」を実施した。立体交差がついた1キロほどのコースを2周。林道ステージの場合は車両を目の当たりする時間が短いが、スタジアム内であれば、2分近く車両をガン見できる。