平成の怪物・松坂大輔が「怪物」ではなくなった?

タグ: 2019/6/2

 平成の怪物が、「怪物」に別れを告げた。

 甲子園で数々の名勝負を繰り広げた、あの夏から20年。横浜高校エースとして国民的スターになった松坂大輔投手は38歳になった。

 国内、大リーグを経て、現在の所属先はプロ野球・中日。右肩痛からの復活を目指し、5月28日が今季初登板だった。ウエスタン・リーグ(2軍)のソフトバンク戦(タマホームスタジアム筑後)で先発。17年まで在籍した古巣相手に、2回をパーフェクト投球。打者6人に対して20球、無安打3奪三振だった。

降板後のコメント


 降板後、取材に応じた松坂の口から驚きの言葉が飛び出した。

 「もう自分は変化球で打ち取る投手。だいたいイメージ通りだったし、最初としては良かったと思う」。

 この日の最速は137キロ。割合はカットボール25%(5球)、カーブが25%(5球)、ツーシーム20%(4球)、チェンジアップ3球(15%)、スライダー3球(15%)。いわゆる直球は1球もなく、すべてのボールを動かした。

  「変化球投手」を自ら認めた事実は、ファンにとって衝撃だった。肩を痛め、年齢的な影響もあり、150キロ超を連発していた、かつての姿はここ数年ない。それでも昨年は140キロ台終盤まで球速が戻っていた。全盛期は、多少の荒れ球でもボールのキレが圧倒的だったが「今の自分は勢いで打ち取るタイプではないので、いろいろと駆使しないといけない。モデルチェンジしていかないといけないなかで、変化球を上手にあやつれるかどうか」。

 制球力を上げたベテランらしいピッチングには、38歳松坂の覚悟が凝縮されていた。

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