日本プロ野球にも影響?!クラスター発生によりメジャーリーグがダブルヘッダーの7イニング制導入に踏み切ったワケ
マーリンズで選手17人が新型コロナウイルスに感染するというクラスター発生を受け、メジャーリーグは8月1日からダブルヘッダーを7イニング制とすることを決めた。
マーリンズ戦は感染拡大防止と、選手らの回復を待つ必要もあることから、当面中止に追い込まれた。マーリンズと3連戦を行っていたフィリーズでも、コーチやスタッフに感染が確認されている。フィリーズ戦も多くが中止となり、9月27日までにレギュラーシーズン60試合を全てのチームが消化できるかどうかは不透明なまま。終盤にダブルヘッダーが増えることが見込まれ、選手の負担軽減のために従来の9イニングから、7イニングへの短縮が決まった。
もっとも3A以下のマイナーリーグでは、昨年までもダブルヘッダーは7イニング制で行われていた。各フランチャイズの距離が遠く、チャーター便なども使えないマイナーリーグでは、再び遠征で訪れる負担を避けるため、ダブルヘッダーを積極的に行ってきた。
とはいえ、権威あるメジャーリーグの公式戦は別、というのが従来のスタンスだった。そこにメスを入れた。
背景に一つあるのは、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)による7イニング制の導入だ。WBSCは野球の世界的な発展のために、試合時間短縮が必要と主張。ダブルヘッダーではなくても、7イニング制で行われるべきとしてきた。1年延期となってしまったが、東京五輪以降の年代別カテゴリーの世界大会は、全て7イニング制で実施されることが決まっている。
一方でWBSCとは別の独自路線を推し進めるMLBは、9イニング制の堅持を主張してきた。両者の意見は真っ向から対立。結果的に、WBSCはMLBによる影響力を完全に排除できず、世界大会でもトップチームによるプレミア12、五輪の2大会は7イニング制への移行を断念した。