落合2軍監督じゃなかったら優勝は――“3連勝しか道なし”の大一番で中日ファームがつかんだ14年ぶり栄冠
試合終了後、落合英二2軍監督がファンの前で挨拶。選手への称賛、10万人を超える観客動員への感謝を語る中、締めに持ち出したのはこんな話だった。
「誰が監督をしても球団主導の組織となり、ドラゴンズの育成システムを確立しなければ、未来はないと思っています。ここにいる選手たちがドラゴンズの未来です。未来を信じてこれからも見守ってください」
中日ドラゴンズという球団は、時の政権によりファームの育成方針が変わっていた。かつては「そういうもの」だったかもしれないが、近年は多くの球団がデータサイエンス等を積極的に活用。中日はやや後発的な立ち位置となっていた。それを改善させるべく、落合2軍監督と球団フロントが立ち上がり、システム構築を始めた1年目にいきなり優勝を果たしたのだ。
思えば、落合2軍監督は前政権でヘッドコーチを務めた経緯もあり、成績低迷の責任をとって昨オフに一度退団することになっていた。それを井上一樹監督が引き止めて、今のポストに収まったのだった。あのまま退団していたら、今回の歓喜は訪れなかっただろう。
10月4日のファーム日本選手権はイースタン・リーグ覇者の巨人と戦う。来年から3地区制が予定されるファームリーグにおいて、今年の頂上決戦は大きな意味合いを持つだろう。ぜひ中日には勝って、現行制度における“最後の胴上げ”を見せてもらいたいものだ。
[文:尾張はじめ]
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