「いつか見た光景」がまたも…フィジー戦で得た教訓 ”超速ラグビー”の深化はどこまで進んだ?【エディージャパン検証】

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 ラインアウトの精度が低かったのも敗因の一つ。二つのスチールと二つのスローミスを犯し、4本が敵ボールになってしまった。特に20分過ぎのラインアウトでスチールを喰らったのが痛かった。相手のミスからのペナルティーキックで敵陣まで押し戻した、いい流れの中で、サインプレーの一つも仕掛けてトライまで持っていければその後の展開も変わっていたかもしれない。試合の流れを決めてしまったと言って良いほどの痛いミスだった。

 その後は、積極果敢に攻めるが、最後の最後でミスを犯し、そこから致命的な逆襲を喰らう、という「いつかみた光景」をたっぷりと見せつけられ、36分までに41-10と試合を決められてしまった。最後の最後でマロ・ツイタマが奪ったトライは見事だったが、こういうトライを、せめて10点くらいの点差の時に挙げておきたかった。

 今大会を通じ、ミスが多いことを再三指摘してきたが、最後の最後でまさに致命的なダメージにつながった。今後の修練で個人としてもチームとしてもミスを減らす努力を重ねていくほかない。

 確かな収穫もあった。全試合でトライを挙げたディラン・ライリーの個人技は世界レベルであることが証明された。フィジー戦のラインアウトで2回スチールして見せたほか、キックチャージ、バックアップのディフェンス、ボールキャリーの力強さなど豊富な運動量を示したワーナー・ディアンズの成長も頼もしい。また、李承信のFBがそれなりに機能していたのも収穫の一つだ。BKの用兵に幅を持たすことができる上、試合中の柔軟なポジションチェンジで、相手のディフェンス網を撹乱することにもつながる。

 次は10月26日にニュージーランド代表オールブラックスを横浜に迎えてテストマッチを行う。1か月という限られた時間の中で、オールブラックスとの差をどこまで詰めることができるのか。そしてその後に続く欧州の強豪との対戦で「超速ラグビー」をどこまで進化させることができるのか。この敗戦の教訓をしっかりと活かしてオータムシリーズに臨んで欲しい。





[文:江良与一]

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