「超速」の理想からは程遠く…ウルグアイ戦で露呈した課題 齋藤直人が「ボール確保」ばかりではテンポがブツ切れに【エディジャパン検証】
また、ウルグアイはスキルもフィットネスもなかったが故にターンオーバーを喰らうシーンは少なかったが、ランキング上位国は容易にターンオーバーを果たし、その後一気にトライにまで持っていくスキルを持ち得ている。FLやCTBなど密集近辺での仕事の機会が多いプレーヤーのスピードアップとフィットネス向上は緊急かつ最大の課題であろう。
後半25分にはLOワーナー・ディアンズがハイタックルの反則でレッドカードを受け、ジャパンは残り15分を14人で戦うことを余儀なくされた。幸い、前半から長所であるフィジカルを活かすために強引な突進を繰り返してきたウルグアイの方がスタミナ切れしていたために逆転されるまでには至らなかったが、サマーシーズンのジョージア戦を思い出してヒヤヒヤした方も多かったのではないか。一連の流れの中でのプレーゆえに仕方ない部分もあるが、常にギリギリの戦いを強いられているジャパンにとっては一人の欠員はそのまま敗戦に繋がりかねない大きなピンチとなる。重大な反則とならないタックルの習得には修練を重ねるしかない。
数多くのチャンスを潰しながらも、5本のトライを取り切った攻撃は評価できる。特に後半の最後で相手のミスキックから松永拓朗がカウンターアタックを仕掛け、最後は切り札のディラン・ライリーにつないだトライは見事で、少しはジャパンファンの溜飲を下げるのには役立ったのではないだろうか。本来なら、こういうシーンをもっと数多く出現させ、点数差も30点くらいつけて欲しかったというモヤモヤはどうしても残ってしまうのだが。オータムシリーズも残り1戦。最後のイングランド戦ではより充実した試合を見せて欲しい。
[文:江良与一]
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