FA「人的補償」は必要か否か 「獲る側」「獲られる側」の論理 撤廃なら移籍市場の活性化も

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巨人が日本ハムに提出したプロテクトリストの内容に注目が高まっている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 果たしてFAにおける「人的補償」は必要なのか。

 毎年、オフシーズンのこの時期になると、プロ野球ファンの間で話題になるテーマです。

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 プロ野球取材歴の長いスポーツ紙の記者は言います。

「今オフも、主に巨人ファンの一部が『人的補償は撤廃すべき』とSNS上で主張しています。というのも、日本ハムから国内FA宣言した松本剛が巨人入りしたのですが、ここで人的補償が発生してしまい、若手の有望選手、実績十分のベテラン、中堅選手がチームを去る可能性が出てきたからです。G党の中には『小笠原や丸のようなバリバリのレギュラーなら仕方ないが、打率1割台の選手をFAで獲得するために、なぜ人的補償が発生するのか』と憤りを投稿している例が後を絶たないのです」

 しかし、これはあくまで潤沢な補強費を元に「獲る側」の論理。これまで多くの選手がFA宣言し、他球団に流出した西武ファンの一人は、「獲られる側」の思いをこう代弁します。

「人的補償は絶対に必要です。ドラフトで指名してから、FA権を取得するまでの間、球団は寮に住まわせ、食費を支払い、コーチが必死に指導して、トレーニングを課して一人前に育て上げるのです。それが簡単にFA移籍するようになってしまえば、ファンとしては『取られ損』で、やりきれないだけです。せめて人的補償で、『代わりに誰かが来る』ぐらいの楽しみはあっても然るべきではないでしょうか」

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