中国サッカー界が“壊滅”したワケ 元代表監督カンナバーロが告白「中国はサウジアラビアのようになれた」
中国代表監督としても辣腕を振るったカンナバーロ。(C)Getty Images
約3年前まで中国サッカー界は大いに華やいでいた。2012年にニコラ・アネルカとディディエ・ドログバが上海申花に加入したのを皮切りに、各国のビッグネームが矢継ぎ早に集まった。
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フッキ、オスカール、カルロス・テベス、アレッシャンドレ・パトなど、欧州のトップリーグで実績を残していた大物がおもしろいようにやってきた。まるでテレビゲームのように潤った状況は世界中に驚きを提供した。この2010年代前半の中国サッカー界は間違いなくトレンドのひとつとなっていた。
しかし、“バブル”の終焉も早かった。高騰し続けた選手年俸に懸念を示した中国サッカー協会が引き締め政策を慣行。クラブ名やエンブレムから企業スポンサーに関する要素の排除を義務付けると、大企業がサッカー事業から相次いで撤退。さらに21年以降は新型コロナウイルスによる国内経済の悪化が追い打ちをかけた。
給与の未払いも横行するようになったクラブが増え、一気にスター選手たちが離脱。テベスをして「俺にとってバカンスだった」と言わしめた“ユートピア”でなくなった中国サッカー界には、以前のような活気も見られなくなった。まさに一栄一落。あっという間に衰退し、いまや国内選手たちの競争力も低下。代表チームの人気低迷が叫ばれている。
この中国サッカーの栄枯盛衰を知るレジェンドがいる。元イタリア代表DFのファビオ・カンナバーロだ。現役引退後に指導者に転身した名手は、恩師マルチェロ・リッピから「中国でのプロジェクトを手伝ってほしい」と直に誘いを受け、2014年11月に広州恒大の監督に就任。翌年6月に退任するも、2016年6月から天津権健、広州恒大、そして中国代表を指揮した。