アスリートの健康か、環境か――選手村の“エアコン未設置計画”に米紙が異論「冷水を流すだけでは限界がある」【パリ五輪】
ただ、同紙は、「床下に冷水を流すだけでは限界がある」と指摘する。
開幕日となる7月26日の最高気温が38.9度になるという予想データをふまえた同紙は、「エリートアスリートたちが、『快適な温度』を保証してほしいと言うのには、それなりの理由がある」と断言。エアコンなどの設備による温度管理の重要性を説いている。
「競技時間やスケジュールの関係で、日中に睡眠を取りたい選手もいるだろう。さらにパラリンピアンの中には、自力での体温調節が難しい選手もいるかもしれない」
また、資金力に乏しい国々との“不平等”さも指摘する。
すでにエアコン導入を決めた米国や英国、イタリア、ドイツといった主要先進国は資金的な余裕があるものの、そうした新たな予算を組めない国もあるのだ。実際、ウガンダのオリンピック委員会のドナルド・ルカレ会長は「私たちにそこまでの潤沢な資金はない」と訴えている。
人類の課題とも言える「環境問題」と向き合ってもいる今大会。そのなかでエアコンを使用しないという大胆なプランを講じたパリの判断は、どのような影響を生むのか。開幕が迫るなかで話題は膨らむ一方だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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