パッキャオvsメイウェザーの“世紀のリマッチ”の実現性は? 榊原CEOに訊いた偉才を使う意味「RIZINにはまだ飛び道具がいる」
一般的なファンのために「お祭りというようなものにしていかないと」
数多のイベントを開いてきた榊原氏は、世界的なレジェンドのリマッチ実現に自信を覗かせる。(C)Getty Images
それでも「ふたりともRIZINの舞台で戦うことには『イエス』と言ってくれている。それをどのタイミング、どういう流れの中で、組むかを調整したい」と断言する榊原CEOは、世界的な知名度を誇るレジェンドを使う意義を力説する。
「彼らを使う意味とかっていうのは、通常のRIZINとはちょっと違う視点を持っているんです。日本のファンからすると、『いや、そんなものはいらない』とか『もっと平本蓮の試合を組め』とか『未来の試合でいい』とかっていう思いはあると思います。でも、もっとワールドワイドで、RIZINに国外のファンを振り向かせていく必要がある。そういったためには、まだまだ飛び道具がいると思うんで」
これまでRIZINは、日本のコアな格闘技ファンが好む硬派なカードを創造してきた。一方で、榊原氏は2018年の大みそかに行った那須川天心とメイウェザーなど世界的な話題となるマッチメークも実現させてきた。
RIZINを「あらゆるドラマがある」と自負する。だからこそ榊原氏は世界に視野を向け、ボクシング界を巻き込むようなイベントの実現に意欲を示す。「メイウェザー、パッキャオ以外のボクシングのトップアスリートともコミュニケーションを取っている。エキシビションという枠の中であれば、非公式マッチであれば、日本でも戦える選手はいる」と論じる同氏は、自らが描く構想の一端を覗かせてもいる。
「ライアン・ガルシアやガーボンダ・デービスのような選手にも僕はチャレンジをしたい。ちょっと他の、海外のプロモーションとは違う形で、RIZINという舞台に海外からの視線を集めるようなチャレンジはあってもいいかなと思う。まぁ大きな規模でやりたいとは思いますけど、パッキャオvsメイウェザーだけで、東京ドームが埋まるとは思えない。
どちらかというと競技会というよりも、お祭りというようなものにしていかないと一般の人たちが振り向いてもくれない。大みそかのRIZINだけは見にくるというようなカジュアルなファンを巻き込めるような求心力をバランスよくラインナップできるイベントを、『まさか』を作り出せるようにチャレンジがしたい」
果たして、「まさか」のイベントをRIZINは仕掛けられるか。そのなかでパッキャオとメイウェザーの再戦はアイコンとなりえるのか。榊原氏が「最終調整をしていきたい」と自信を覗かせる交渉の行方を興味深く見守りたい。
[取材・文:羽澄凜太郎]
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