【現地発】フリーマンはなぜ35歳にして“自己ベスト”を叩き出せているのか 「探していたスイングが見つかった」 打撃コーチが明かした打棒の秘密
20年にナ・リーグのMVPに輝き、実績と経験豊富なベテランは、今も好不調を繰り返しながら理想の状態をキープするための“答え”を探している。
5月は最高で打率.375まで上昇した。6月に入ってやや数字が落ちてきたが、ベイツ打撃コーチは「打者は誰でも、好不調の波がある。彼は自分のスイングがどうあるべきか、よく分かっているが、時に身体が思うように動いてくれない時もある。彼が不調な月ですら、多くの選手の好調な月より良い数字だったりする。そういう意味でも、本当にレベルの高い選手」と信頼を口にする。
シーズン162試合の長丁場で、連戦に長距離移動も頻繁にある。そこには身体への負担と同時に、故障のリスクも伴う。それでもフリーマンは挑み続ける。
昨季も8月中旬に右手中指を亀裂骨折しながら出場を続け、シーズン終盤には右足首を捻挫したが、強行出場を続けた。出場するからには、負傷していることを言い訳にはできない。ロバーツ監督が「我慢強い男」と称する鉄人は、ワールドシリーズ第1戦で、延長10回に逆転サヨナラ満塁本塁打をマーク。チームの悲願であった世界一に貢献した。
直近では6月10日のパドレス戦で、守備中に太ももを痛めた。それでも翌日の試合でフル出場し、4打数1安打1四球で2度出塁。チームの勝利に貢献した。不屈の鉄人魂でプレーを続け、日々の練習で理想のスイングを模索し続ける。この姿勢こそが、常勝軍団をけん引するパフォーマンスにつながっている。
[文:斎藤庸裕]
【著者プロフィール】
ロサンゼルス在住のスポーツライター。慶應義塾大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。プロ野球担当記者としてロッテ、巨人、楽天の3球団を取材した。退社後、単身で渡米し、17年にサンディエゴ州立大学で「スポーツMBAプログラム」の修士課程を修了してMBA取得。フリーランスの記者として2018年からMLBの取材を行う。著書に『大谷翔平語録』(宝島社)、『 大谷翔平~偉業への軌跡~【永久保存版】 歴史を動かした真の二刀流』(あさ出版)。
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