【松田宣浩インタビュー】ジャイアンツ版「熱男の流儀」 優勝のためには「1球に対する価値感を上げなければいけない」
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ソフトバンクを退団し、新たに巨人に活躍の場を移す松田宣浩。リーグ優勝6回、日本一7回という球界屈指の実績を誇る名手は、今何を思うのか。勝負強い打撃とゴールデングラブ賞8回の守備のみならず、トレードマークでもある「声」でチームを活性化してきた稀代の三塁手を直撃した。
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ーー巨人への加入が決まりました。改めて、新天地ではどんな働きをしたいと考えていますか?
いろんな人が「松田宣浩=ムードメーカー的存在でジャイアンツに入った」と考えているかもしれません。ただ、ジャイアンツからお話しをいただいた時に「単にムードメーカーではなく、戦力として必要だ」と言っていただきましたし、自分でも「そこが大事だな」と思っています。プロ野球の世界は、打って、守って、走って、数字を残してお金を稼ぐもの。加えて、リーグ優勝や日本一になるためにはプラスアルファが必要だなと考えて、声を出したり雰囲気作りをしてきました。そういうことを、ジャイアンツでもやっていきたいと考えています。
ーー「熱男」が代名詞となっている松田選手ですが、「声」が持つ役割をどのように考えていますか?
一人一人の動きを変えてくれるもの、かなと。その場の雰囲気を変えてくれるので、大事だと思っています。
ーー「声」が注目されるようになったきっかけを振り返って頂けますか。
2011年に川﨑(宗則)さんがメジャーに行く時ですね。それまで、あの人が一人で声を出してチームを引っ張っていました。僕らは若かったので、「一生懸命野球だけ頑張っとけばいい」と言われてたんです。でも、川﨑さんがメジャーに移籍する時に「こういう役割もやってくれ」と本人に言われました。それで2012年ぐらいから意識的にやるようになりましたから、もう10年くらいになりますね。
ーームードメーカーとしての役割が、自分の中でしっくりきたタイミングはいつでしたか?
試合に出続けて、チームの結果も出始めた頃からです。リーグ優勝した2014年くらいですね。12、13年は、自分では元気を出しているつもりだったけど、結局優勝はできていなかった。14、15年に優勝してから、「声も出してきて良かったな」という想いが出てきました。
やっぱり、声を出すのは結構エネルギーがいるし、疲れるんですよ。でも、大事なものが、その先にはある。静かな選手、どこにいるか分からない選手よりも、常にどこかにいる存在でありたいなという思いもあったので、こういう感じでやってます。
ーーこれからチームメイトになる巨人の選手の中で、特に「熱くしたい」という選手はいますか?
みんな、ですよね。みんなと熱く野球がしたい。新しく入るチームなので、そのチームのスタイルであったりルールがあると思う。最初から全部自分の考えでやるのではなくて、チームのやり方を聞きながら、自分がやってきたことを出していければいいかなと思っています。