高木姉妹の偉業に刺激 東京五輪でメダルを目指す美女アスリート
「誰もやったことのない目標を達成することに全てを賭けている」
女子トライアスロン・世界ランキング6位の佐藤優香(26、トーシンパートナーズ・NTT東日本・NTT西日本・チームケンズ)へのインタビュー。表情が変わったのは今年2月に開催された平昌五輪に話題が及んだ時だった。女子アスリートの活躍が目立った中、最も印象に残った出来事として2人で金メダル3個を含む計5枚のメダルを獲得した高木菜那(25)、美帆(23)姉妹の活躍を挙げた。「五輪を経験している人間として本当に凄いことだと思います。技術もそうですし、大舞台で自分の力を発揮する精神力も凄い」と称えた上で続けた。「自分は今のままだったら東京五輪でメダルを獲れるかというとまだまだ足りない部分が多い。でも誰もやったことのない目標を達成することに全てを賭けている」。トライアスロンで日本人初のメダル獲得へ、強い思いを口にした。
悔しさを味わってきた分、勝利を渇望する。18歳で出場した10年のシンガポールユースオリンピックで金メダルを獲得したが、12年のロンドン五輪は落選。初出場した16年のリオデジャネイロ五輪は15位に終わった。危機感が体を突き動かす。昨年3月に就任したオーストラリアのダレン・スミスコーチの指導の下、「走り方とか体の動かし方をすべて変えて…。効率良いフォームだと疲れがたまりにくくなるし、高いパフォーマンスを持続できる」と今まで積み上げた技術を壊して新たに作り直すことを決断した。
戸惑いもあった。走るフォームが少しでも矯正前に戻ると、練習を止められた。練習時間も集中力を重視して5時間から3時間に短縮。当初は練習の成果が試合に結びつかなかったが、課題のランでスタミナがついて最後まで力強く走り切れるようになった。今シーズンは第1戦WTSアブダビで8位、第2戦バミューダで7位と2戦続けて入賞した。東京五輪まであと2年2か月。「今は積み上げているものが形になっている手応えがある。運も必要だけど、このままコツコツと積み上げていけば自然と結果はついてくると思う」。凛々しく華やかな佐藤に迷いはない。地元開催の五輪で主役になる可能性は十分に秘めている。
■編集部からのお知らせ
3月7日に発売の雑誌「CoCoKARAnext」では読売ジャイアンツ・菅野智之投手のインタビューの他、プロ野球選手に学ぶ仕事術などストレスフルな時期を乗り越える情報を掲載。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]
佐藤優香(さとう・ゆか)
リオ五輪代表、所属:トーシンパートナーズ、NTT東日本・NTT西日本、チームケンズ
1992年1月18日 千葉県佐倉市出身
日本橋女学館高校時代から日本ジュニアトライアスロン選手権など、数々の大会で優勝を果たす。
2010年にシンガポールで開催されたユースオリンピックで優勝し、記念すべき金メダル第1号となる。2012年ロンドン五輪は出場を逃したが、2016年リオデジャネイロ五輪では日本選手最高位の15位に入る。