【女子バレー】ブロード攻撃はまさに「打てば決まる」状態 勝負所で輝いた“33歳ベテラン” 代表キャリア10年以上は伊達じゃない
島村はやはりチームにとって大きな存在だ(C)Volleyball World
バレーボールの女子日本代表は現地6月18日、香港で行われている「FIVBネーションズリーグ」予選ラウンド第2週のタイ戦に臨み、2-3(18-25、23-25、25-20、25-15、15-11)で勝利した。出だしから相手のディフェンスに対して攻めあぐねた日本は今大会初めてセットを奪われると、続けざまに第2セットも落としてしまう。2セットダウンの窮地に立たされたものの、そこからアウトサイドヒッターの佐藤淑乃(NECレッドロケッツ川崎)が奮起し、そして何と言ってもオポジットの和田由紀子(NEC川崎)が終わってみればチーム最多29得点と大爆発して逆転勝ちに成功した。
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第1、第2セットと試合の前半では相手を追いかける時間帯が長かったわけだが、そんななかでも「これ以上は点差を離したくない」「ここで相手の流れを断ち切りたい」という場面で必ず得点したのが、ミドルブロッカーの島村春世(NEC川崎)だった。
センターエリアからライト方面にかけて、ときにはセッターのすぐそばで、ときにはネットのアンテナ付近まで、移動してから放つブロード攻撃がこの試合では炸裂した。第1セットは5本中4本、第2セットは7本中5本、とまさに「打てば決まる」といった具合だ。最終的にアタックだけで16得点、決定率は7割近くに達し、和田と佐藤に続いてこの日チーム3番目のスコアラーとなった。
ミドルブロッカーの島村が攻撃面において存在感を発揮することの価値は、得点だけにとどまらない。相手にとっては島村をマークせざるをえなくなり、そうしてほかのサイドアタッカーたちへのブロックが手薄になるのだ。タイ戦において象徴的だったのは、第2セット開始時からコートに立ったアウトサイドヒッターの秋本美空(ヴィクトリーナ姫路)が序盤にバックアタックを決めた場面。アウトサイドヒッターの石川真佑(ノヴァーラ/イタリア)がレフトで、島村がライトでアタックの助走に入ったことで、相手ブロッカーは分散し、センターエリアがぽっかりと空く状況に。まさにパイプアタックのお手本といえるシーンで、秋本のこの試合初得点を演出したのであった。






