ソフトバンク一人勝ちの様相のFA市場、かつての主役・巨人と球界の盟主の座は完全に逆転
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ソフトバンク一人勝ちの様相か。いよいよ全球団との交渉が解禁された今オフのFA市場において、ソフトバンクの名前が連日報道されている。既に日本ハムからFAの近藤健介外野手、DeNAからFAの嶺井博希捕手に接触し、条件提示も済ませたという。
その額がまた驚きだ。近藤には4年総額20億円とも、6年総額30億円とも報じられている。今季年俸は2億5500万円だったが、推定でも倍の年俸5億円以上になるという計算だ。今季は99試合の出場で打率・302、8本塁打、41打点。出塁率・418と衰えのないところを証明したが、これほどの評価額になったことでネット上でもファンを驚かせている。
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嶺井には3年総額3億円以上と伝えられた。今季年俸は2700万円だったが、いきなり1億円プレーヤーの仲間入りである。今季は正捕手として自身最多の93試合に出場し、打率・205、5本塁打、30打点。打撃が売りの選手ではなく、あくまで捕手としての守備力を買われた評価ではある。とはいえ、1学年下の甲斐拓也が正捕手として君臨しており、狙いはあくまで「第2捕手」。そこにこれだけの資金を投下するというのだから、恐るべしだ。
近藤には他に西武、オリックス、ロッテも獲得に名乗りを上げ、日本ハムも宣言残留を認める構えで残留交渉にあたっている。とはいえ、ここまでを見ればソフトバンクの条件面が際立っている。嶺井にはDeNAも宣言残留を認めてラブコールを送り続けている。他に名乗りを上げる球団は現れておらず、ソフトバンクと一騎打ちの様相だ。
かつては巨人が資金力と、そのブランド力を背景にFA市場の主役を張ってきた。だが、地上波でのテレビ中継が途絶え20年が経過し、かつてのブランド力は失墜。資金力は揺らいでいないが、ここ数年はFA補強の失敗が続いており、安易に動きにくい状況となっている。今オフは当初、西武・森友哉の獲得に動くと見られていたが、オリックスに対し劣勢を強いられている。