元DeNA・林昌範が初解説で19歳右腕の京山を絶賛。「もう少し笑えよと思うぐらい大人びていた」
高卒2年目で一軍デビューの共通点。癒し系キャラはマウンドに立つと威風堂々の姿に変身
みなさん、こんにちは。元DeNAの林昌範です。連載企画9回目の今回は1日のヤクルト戦(横浜)でプロ初先発初勝利をマークしたDeNA・京山将弥投手について書かせて頂きます。
私事ですが、「AbemaTV」さんから解説のお仕事を頂き、1日のこの試合が初仕事でした。視聴者の方にうまく伝えられるか緊張と不安で一杯でしたが、プロ初登板で顔色一つ変えず堂々と投げる京山の姿を見て励まされました。初解説でこの試合を見られて幸せでした。15歳下の後輩に感謝ですね。
京山の凄さは19歳と思えない精神的な強さだと思います。僕は昨年の1年間だけ一緒にプレーしましたが、素材は一級品でした、スライダーの切れ味は鋭いし制球力もいい。見た目は癒し系で話した感じもおっとりしているんですが、マウンドに立つと変わります。重圧がかかるマウンドでも舞い上がらず、メンタルコントロールできる。これは実は凄いことなんです。僕も1軍デビューは高卒2年目。(高橋)尚成さんが故障で巡ってきたチャンスでした。中日戦で7回1安打無失点に抑えましたが、緊張で地に足が着いていませんでした。2回を投げ終わった時に「あっ、今1軍で投げているんだ…」と我に返ったぐらいです。京山はヤクルトの強力打線に臆せずに向かっていく。お立ち台でも舞い上がる様子もなく、クールな表情でした。もう少し笑えよと思うぐらい大人びていましたね。
先発の台所事情が苦しいDeNAにとっても大きな新戦力です。開幕で同一カード3連敗を免れたのは大きい。選手たちは気持ちが楽になって、次のカードから平常心で戦えるでしょう。今永、ウィーランド、浜口が故障で離脱していますが、京山は先発ローテーションに定着するチャンスです。他球団に研究されてこれからプロの厳しさを味わうと思いますが、今回のような投球をすれば大崩れしないと思います。将来は球界を代表する投手になってほしいですね。
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※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]
林 昌範(はやし・まさのり)
1983年9月19日、千葉県船橋市生まれの34歳。市立船橋高から01年ドラフト7巡目で巨人入団。06年には自身最多の62試合に登板するなど主に救援で活躍。08年オフにトレードで日本ハムへ移籍した。11年に退団し、12年からDeNAに加入。昨オフに戦力外通告を受けて現役引退した。通算成績は421試合で22勝26敗22セーブ99ホールド、防御率3・49。186センチ、80キロ。左投左打。家族はフリーアナウンサーの京子夫人と1男1女。