「日本人で最もNBAに近い男」比江島の自信を生み出した引き出し
高いレベルでの数々の苦しみを超えた自己成長
Bリーグ・シーホース三河に所属し、日本代表としても活躍を続ける比江島慎。今や「日本人で一番NBAに近い男」と称されている彼だが、活躍の裏には幼いころからの数多くの経験が積み重なっていた。
小学校の時にはミニバスで日本一、福岡市立百道中学では全中3位、洛南高校ではウィンターカップ3連覇、青山学院大学ではインカレ2連覇、そして現在所属するシーホース三河も常にリーグ上位に位置し、優勝回数もトップクラスの常勝軍団。トーナメント戦で言えば準決勝、決勝等で優勝が懸かった大一番などを各ステージで数多く経験してきた。これまでの経験について比江島はこう語る。
「自信にはなっていますよね。そういった今までのキャリア経験から自信になっているのは、【集中した時の自分には自信がある】ということですね。」
幼いころからこのような数々の修羅場や経験をしてきたから自信が生まれたと彼はいう。その中でも特に自信になったというのはリオ五輪の予選だったという。
「これだけ色々な経験をさせてもらってきて、日本国内ではやれるという自信はありました。ただ、海外で自分は通用するのかという疑問はあったんですよね。その中でリオ五輪の予選で活躍することができて、【アジアでも通用する】ということを証明できたのは自信になりました。日本代表を引っ張っていかないといけないと思いましたね。」
子どもの頃、自身のスピード不足を補うために編み出した「比江島ステップ」。そしてその「比江島ステップ」で切り拓いた中学、高校、大学、そしてプロと数々の高いレベルの経験の中で生まれた「比江島タイム」。日本国内での絶対的な自信、そしてリオ五輪予選で得たアジアレベルでの自信。
比江島は一つ一つステップを踏んで、一つ一つ高いレベルでの経験をして、そしてそれを乗り越えて自信にしてきた。今、次なるステップはBリーグ制覇とW杯、五輪の世界だ。これまでの数々の経験をもとに更なる高みを目指し、世界へ向けたステップアップに注目したい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
比江島 慎(ひえじま・まこと)
1990年8月11日生まれ、福岡県出身。190㎝/88kg。福岡市立百道中学、京都・洛南高校を経て青山学院大学。青学大では2年連続インカレ制覇を達成し、2013年からアイシン三河(現・シーホース三河)へ入団。切れのあるドライブを武器にルーキーイヤーから活躍。2015年のリーグ制覇に貢献。Bリーグ初年度の昨年は、セミファイナルの延長戦残り30秒からの逆転負けを喫し、今シーズンは雪辱に燃える。日本代表でもエースとして活躍中。