世界をも魅了した渋野日向子 一時的なフィーバーで終わらないその人間力とは
宮里藍が持つルーキーイヤー最多賞金額を大きく上回った大ブレークの1年
写真/GettyImages
過酷な現実とも向き合うことになる。「笑わないのかよ」。まさかと思うような観客の声が耳に入ることもあった。プレー中のスマホのカメラシャッター音は後を絶たない。心ないファンのマナー違反が、自分だけでなく、同組選手まで巻き込んでしまうことに、心を痛めた。周囲の目が気になり、ラウンド中に大好きなお菓子を自重した時期もあった。
それでも必要以上に引きずらない性格で、切り替えも早かった。「私にはずっと味方で応援してくれている家族やスタッフがいる。結局は自分の人生なんだから自分のやりたいようにやればいいと思った」。笑顔と自然体を取り戻すと、シーズン終盤に追い上げ。最終戦まで賞金女王争いを繰り広げて女子ツアーを盛り上げた。
最終戦2位フィニッシュで、賞金王の鈴木愛には届かなかったが、757万円差の1億5261万円を獲得。国内ツアーでも4勝を挙げ、宮里藍が持つルーキーイヤー最多賞金額を大きく上回り、大ブレークの1年となった。オフの過ごし方を問われると「(ゲームの)ポケモンを全クリしたい。クリスマスに親知らずを抜きます。悲しい。今はラーメンを食べたい、濃いーやつ」。しぶこ節全開のトークでも楽しませた。
ゴルフの強さだけでなく、笑顔と飾らない性格が、多くの人々をひきつけた。一時的なフィーバーで終わらない人間力が、渋野にはある。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。