日ハム・伊藤 「6度目の正直」ならずも、敵ファンから称賛された今季引退・長谷川への敬意とは
日本ハムの伊藤大海投手(24)が21日、敵地でのソフトバンク戦に先発登板。新人一番乗りとなる二桁勝利を目指してマウンドに上がったが、7回2失点で、またしても10勝に手が届かなかった。
自身9勝目を挙げた9月7日の楽天戦を最後に、5戦連続で勝ち星がなく、直近4試合は4連敗と、あと一歩のところで足踏み状態が続いていた。
だが、プロの洗礼を浴びせられてもなお、ルーキーは冷静だった。
「何も得ることなく10勝してしまうのと、色々試行錯誤して掴み取る1勝では、その先に大きな違いがある」
何としてでも勝ちを掴み取りにいく、そう強い気持ちを持って上がったこの日のマウンド。
初回からテンポの良いピッチングでアウトを重ねると、3回には2アウトから牧原にヒットと盗塁を許しランナー2塁と、この日最初のピンチを迎えるも、続く三森を空振り三振。
5回には2アウト1.2塁のピンチを招くが、ここも牧原を見逃し三振に打ち取り脱出した。
迎えた7回。先頭のデスパイネにヒットを許すと続く中村に送りバントを決められ1アウトランナー2塁。
ここで迎えるバッターは、この日が現役ラストとなった代打・長谷川だった。
ルーキーとプロ15年目のベテランとの真剣勝負。1ボール2ストライクと追い込み、最後はファーストゴロに打ち取った。
だが、2アウト3塁で打席に甲斐を迎えると、1ボール1ストライクから投じた3球目をレフトスタンドに運ばれ、痛恨の被弾。結局伊藤は7回2失点で勝利投手の権利がないままマウンドを後にした。
試合は9回、味方打線が相手守護神・森からヒットとフォアボールで出塁すると、2アウトから杉谷が土壇場の同点タイムリー。伊藤の負けはなくなった。
共に新人一番乗りでの二桁勝利を目指していた楽天・早川も9月22日に挙げた9勝目を最後に勝ち星から遠ざかっており、どちらが先に到達するか、もどかしい状況が続いていただけに何としてでも勝ちたかった。
試合後伊藤は
「また前回同様粘り切ることが出来ず、不甲斐ない投球をしてしまい申し訳ない気持ちです。次があるかどうか分かりませんが、この1年の集大成を見せられるよう、明日から気合いを入れ直していきたい」
と反省のコメント。