巨人を浮上させられるか 注目集めるデーブ大久保氏の打撃理論とは
長打力が持ち味の中村にとって、いかに体重移動をスムーズにおこない、ボールに移すかが重要になってくる。体重移動の考え方を教えたのち、大久保氏が口にしたのが、本人に合った打ち方をすることだ。
「打ち方を教えるとしても、それが全員には合うわけではない。本人に合う打ち方をすることが大切です。そこで大事になってくるのは、打席内で奥行きを作ること。その奥行き内で対応するために、中村には打席の前で打つことを覚えさせました。そうすると、今まで一生懸命窮屈そうに奥で打っていたのが、ポイントを前で打つことによって、柵越えが連発したんですよね。
でも人って、アドバイスをした時に、一生物として受けとるか速効性のあるものを受け取るかとした時に、大体速効性を選ぶんですよね。なので、本人にやらせた時に結果が出るものを探すことが1番重要だと思います」
大久保氏のコーチングが実り、同氏のコーチ初年度の2008年、中村の打撃は大きく変化、プロ7年目にして46本塁打と40本超えを記録し、自身初のタイトルとなる本塁打王を獲得。その後も球界を代表する長距離砲の道を歩んでいる。
試合で使い続けた渡辺監督の力も大きかったが、大久保氏の指導は間違いなく中村の野球人生を変えたと言っても過言ではないだろう。
そんな大久保氏が、今度はここ数年低迷する巨人の選手たちをどう覚醒させていくのか。
今後もその手腕に注目が集まりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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