「山川FA流出」も見せた男気 西武・渡辺久信GMの好感度が急上昇の理由
山川の去就は多くの注目を集めた(C)CoCoKARAnext
プロ野球チームの編成トップとしては、主力選手のFA流出はマイナス材料。しかし、その好感度は上昇の一途をたどっているというのですから、異例の事態といえるでしょう。
西武・渡辺久信GMです。言わずと知れたライオンズ黄金時代を支えたエース。台湾球界でもプレーし、野球評論家を経て西武でコーチなどを務めると、2008年には監督就任1年目で日本一。13年に監督退任後はシニアディレクター、GMと編成の要職を務めています。
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かつて西武担当を務めたスポーツ紙の記者は言います。
「一言で言えば“親分”。腹の太い、気配りができるトップなので、球団職員からも人気があります。元選手のスタッフはGMのもと、一致団結している印象です。担当記者からも愛されていて、信奉者も多い。義理人情に厚く、渡辺さんが監督時代、担当記者も人として裏切るようなことを書くのは厳禁でした」
そんな渡辺GMにとっても、今シーズンは常に「山川問題」と対峙せざるを得ない、苦しい1年だったといわれている。結果的にはライオンズのユニホームに別れを告げ、博多の地へ旅立つことを決断したのです。
前述の記者は続けます。
「FAは選手が勝ち取った権利。しかし山川は手順の丁寧さを欠いていた印象があります。権利行使に当たって、球団を通じて発表したコメントには『これまで聞くことがなかった声をお聞かせ頂くことで、自分自身を戒めることとなるのではないかとも考えました』との箇所があり、これが西武ファンの怒りを買います。『戒め構文』として、SNS上では揶揄する投稿が相次いだのです」