満票選出は逃すも価値は不変 日本人への“固定概念”を覆したイチローの功績「イチローがいなければ、オオタニは存在しなかった」
「世界最高峰」とされるMLBで異彩を放ったイチロー氏。その価値があらためて称えられている。(C)Getty Images
日本球界にとっても重要な表彰がされた。
現地時間1月21日、2025年の米野球殿堂入り選手がMLB公式ネットワーク局『MLB Network』の番組内で発表され、有資格1年目となったイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が、日本人で初めて選出された。
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大方の予想であった満票選出にはわずか1票だけ足らなかった。それでも「野球の本場」であるアメリカで「理解できない」「(投票しなかった理由を)説明すべき」といったハレーションを呼んでの殿堂入りは、孤高のヒットメーカーが残した功績が世界的に認められた証ともいえよう。
あらためて振り返っても凄まじい記録ばかりだ。何よりもパワーが重視されていた2000年代初頭のMLBの中で卓越した技術と類まれなセンスで異彩を放ったイチロー氏は、最終的にMLB通算3089安打を記録。2004年には史上最多となるシーズン262安打を放つ金字塔も打ち立てた。
打って、守って、そして走って――。野球を体現したような存在価値は今も色褪せない。今回の殿堂入りには、イチロー氏の現役時代を見つめてきた米記者からも賛辞が集まった。MLB公式ネットワーク局『MLB Network』に出演したジョン・モロシ記者は「イチローという選手は数値化できない価値を持っていた」と指摘。「私はイチローがいなければ、今のオオタニのような選手たちは存在しなかったと思っている」と断言している。