色褪せないイチローの伝説的な“爆肩” 刺された走者が回想した伝説の瞬間「まさかあんなボールを投げるなんて」
その凄みは、他でもない刺された人間の言葉が如実に物語る。今回の米スポーツ専門局『ESPN』の取材に応じたテレンス・ロング氏は、「僕は何の躊躇もなく一塁から三塁まで行った。あの時も『よし、前にも一塁から三塁まで行ったことがある』と思っていた。でも、打球が飛んだのは彼の方だったんだ」と吐露。当時の状況を鮮明に解説した。
「彼がボールを捕る前に、僕はすでに二塁ベースから3、4歩は先に出ていた。だから僕は、『彼が僕をアウトにするはずがない』と思って、走っていた。でも、三塁手の目を見たら、彼がボールを見ているのがわかった。だから『とにかく滑ろう』って感じでスライディングの体勢に入った。でも、準備をしてすぐに、ボールは僕の目の前を通り過ぎていったんだ」
打球速度も決して早いとは言えなかった。ゆえに絶対的に走者優位のシチュエーションで、ロング氏には“余裕”があったが、イチロー氏の肩から放たれたレーザーのような送球はそれを許さなかった。
ロング氏は、当時の心境を振り返った上で、こう言葉を結んでいる。
「『なんてことだ、まさかあんな球を投げるなんて……』って思ったよ」
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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