“W杯ボイコット”の波紋はアフリカにも トランプ大統領の強硬姿勢にサッカー界で強まる反発の声「大陸の悲劇を生んでいる」
サッカー界にもトランプ大統領の言動による波紋は広まっている(C)Getty Images
「トランプの本質は、依然として視聴率至上主義者だ」
4年に一度の“サッカーの祭典”の開幕が間近に迫る中、一部出場国の動静が波紋を広げている。
デンマーク自治領グリーンランドの領有を主張する米国のドナルド・トランプ大統領の意向に反発するドイツで、6月に米国、カナダ、メキシコで共催されるワールドカップ(W杯)北中米大会の出場をボイコットする可能性が浮上した。
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発端は他でもない米政権の意向だ。「国家安全保障上が理由」として、デンマークの自治領にあるグリーンランド所有権の保持を要求するトランプ大統領は、同地域を自国領のように描いた画像をSNSに投稿。一連の強硬姿勢にNATO(北大西洋条約機構)諸国から反発を受けると、同大統領は即座に“応戦”。17日にグリーンランドへ軍部隊を派遣したNATOの8か国からの輸入品に対して2月1日から10%の追加関税を課すと号令を出した。
一連の言動が「主権侵害だ」と批判が渦巻いたドイツ国内では、経済的かつ政治的利益の大きさを踏まえ、ワールドカップ出場を取りやめるべきという議論が噴出。ドイツ紙『Bild』などによれば、キリスト教民主同盟(CDU)のユルゲン・ハルト議員はドイツサッカー連盟(DFB)とFIFAを「責任ある団体」と言及。その上で「トランプ大統領に正気を取り戻させるための最後の手段になるかもしれない」と示唆した。
19大会連続21度目の本大会出場を決めている“サッカー大国”で生まれた波は、欧州全体にも広まっている。英紙『The Independent』は「FIFAとUEFAのトップ幹部たちは、アメリカによるグリーンランド領有に対する行動がワールドカップ、ひいてはサッカー界全体に及ぼす潜在的な影響について“非常に懸念している”」と指摘。昨年12月に「FIFA平和賞」を新設し、トランプ大統領に手渡したジャンニ・インファンティーノ会長(FIFA)の振る舞いを「このワールドカップを崩壊させる可能性のある問題において、彼は中心的な存在となっている」と糾弾した。
さらにドイツだけでなく、日本とグループステージで同組となるオランダ国内でもボイコットをめぐる嘆願書が「作成された」とする同紙は、欧州各国でボイコットに向けた動きが広まった際の影響について論じている。
「トランプの本質は、依然として視聴率至上主義者だ。すなわち欧州勢のボイコットは、このワールドカップを台無しにする。それだけでなく、各開催都市、スポンサー、放送局の怒りも招くだろう。その影響はもはや計り知れない。そうなれば、『地球上で最も壮大なショー』でのトランプの役割を全て剥奪することを意味することになるだろう」





