大谷翔平は「6.8億円が消えても気づかなかったのか」 関係者の対応に米識者が抱く疑義「なぜ通訳が権限を持っていたのか?」
盟友関係を築いていた水原氏と大谷。それだけに周囲も前者に信頼を置いていたのかもしれない。(C)Getty Images
問題の完全解決には、しばらくの時間を必要としそうだ。2018年から大谷翔平(ドジャース)の専属通訳であった水原一平氏が違法賭博に関与した疑いでドジャースから解雇された問題である。
そもそもの発端は、「ギャンブル依存症だった」(米スポーツ専門局『ESPN』での本人談)という水原氏の行動にあった。
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同氏は米連邦政府の調査を受けている南カリフォルニアのブックメーカー(賭け事の取扱業者)にギャンブルで多額の負債をつくり、大谷の銀行口座から少なくとも450万ドル(約6億8000万円)を送金。同選手と専属通訳の関係を続けながら、違法な支払いを続けていた。
すでに大谷の弁護士は「大規模な窃盗被害にあったことが判明し、当局に引き渡した」という声明を発表。本人も現地時間3月25日の記者会見で「水原氏からは虚偽説明をされていた」「口座からお金を盗まれた」と説明し、自らの潔白を訴えている。
ただ、今月19日に『ESPN』のインタビューで水原氏は「翔平は事実に喜んではいなかったが、私がこれからギャンブルをしないよう助けると言った」と証言。後に大谷側が「嘘をついている」とこれを否定したが、大谷本人に無断で大金を送金することは「ほぼ不可能」という見方もあり、いまだ疑義を持つ米メディアや識者も少なくない。
ドジャースの地元放送局『NBC Los Angeles』は、「オオタニが口座から何百万ドルもが消えていても気づかなかったかもしれない理由」と銘打った特集記事を掲載。「カリフォルニア州においてスポーツ賭博は合法ではなく、そもそもの規制がない」と記したうえで、アメリカ初のスポーツベッティング講座を開設したデビッド・ビンテュレラ氏による見解を紹介している。