ベターなのかさえも疑問を抱くリスト――”OAなし”の大岩ジャパンに「最初のチーム」になる野心はあるか【パリ五輪】
選手がそう考えるのは当然だ。仕方がないこと。五輪はそういう大会なんだ、と割り切るしかない。
今回のオーバーエイジ招集ゼロ人は、メダルを狙う上では間違いなくネガティブだ。日本はアトランタから7大会連続で五輪に出場してきたが、オーバーエイジを使わなかったアトランタ、北京、さらにA代表の主力を避けて招集したリオは、すべてグループステージで敗退している。逆に決勝ラウンドへ進出したシドニー、ロンドン、東京は、すべてA代表の主力からオーバーエイジを招集した。
過去の定説に従うなら、今大会の日本はグループステージ敗退が濃厚だ。オーバーエイジ無しで決勝ラウンドへ進んだ経験が一度もないのだから、そう言わざるを得ない。
しかし、こうしたデータはいつか覆されるもの。2018年ロシアワールドカップの最終予選では、初戦で負けたチームがW杯出場を決めたことがないというデータを、初戦でUAEに負けた日本が覆し、逆転首位でW杯出場を果たしたことがあった。当時の代表メンバーである酒井高徳が口にした「俺たちが最初のチームになればいい」という言葉は、今でも覚えている。
あのメンタリティーを胸に。たしかに五輪に関して、日本はオーバーエイジ無しで決勝ラウンドへ進んだ例がない。しかし、大岩ジャパンにはそうした定説を覆す、最初のチームになる野心を持ってほしい。2勝すれば、世間のムードは一気に変わるだろう。
[文:清水英斗]
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