【パラグアイ戦検証】5発快勝を手繰り寄せた”左高右低”の妙 「最も得意な形」での圧勝劇はマリ戦にどう影響するか【パリ五輪】
ただ、日本は1人多い状況で概ね優勢ではあったが、後半序盤から60分くらいまでは、非常に危ない時間帯だった。49分に高井がボールキープの失敗から相手を倒し、イエローカードを受けた場面以後、日本のマインドが少し下がった。1-1に追いつかれても不思議ではない決定機をいくつか作られた。
そんなこんなで、2点目の必要性をひしひしと感じ始めた時間帯。日本はこの試合を決定付けるゴールを挙げることになる。
63分、スローインの流れから山本理仁のスルーパスに反応し、細谷が折り返す。これはつながらなかったが、2次攻撃から斉藤がドリブルで仕掛ける。得意の足裏引き技で相手を食いつかせると、素早く浮かせて縦へ突破。南米勢のDFを、南米の香りがするテクニックで抜いた。そして、左足の丁寧なクロスから、三戸も丁寧にヘディングシュート。
2-0。パラグアイは反撃実らず、ここで心が折れた。日本は山本、藤尾翔太が次々と加点し、終わってみれば5-0。完勝だった。1点目も2点目も、厚みある2次攻撃、3次攻撃から生まれた点が良かった。チームが機能している。
ただ、このメンバーの最も得意な形、左高右低のアシンメトリーをこれでもかと発揮したことで、次はどうするか。
当然、相手は分析して来るし、右サイドで独立してプレーできる平河が負傷したことも、2戦目以降の戦い方に影響するかもしれない。大畑や関根に比べると、特徴が中間的な万能のサイドバック・半田陸を直前で欠いたことも含めて。
戦い方の幅を出しづらければ、良かった形を一層貫くか。次戦のマリは強敵だが、日本は勝てば3戦目を待たず、決勝ラウンド進出を決められる。この過密日程でメダルを目指すなら、1試合を消化試合にできるのは大きなボーナス。勝負だ。
[文:清水英斗]
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