メジャー初戦「ANAインスピレーション」で 注目の日本勢、畑岡奈紗らの勝算はいかに!?
日本時間の来たる4月4日(木)~8日(月)、今シーズンのLPGA女子ゴルフツアーのメジャー初戦「ANAインスピレーション」がついに開幕する。
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1972年に歌手であるダイナ・ショアの呼びかけにより始まった歴史のあるトーナメントだが、2014年までは「クラフト・ナビスコ選手権」という大会名称であったのが記憶に新しい。舞台は一貫して米カリフォルニア州にあるミッション・ヒルズ・カントリークラブのダイナ・ショア・トーナメントコース。女子ゴルフツアー版「マスターズ」とも呼ばれる伝統ある大会だ。
日本勢は畑岡奈紗、野村敏京、比嘉真美子、横峯さくら、そして昨年の同大会で8位をマークした上原彩子が参戦予定。世界のトッププレーヤーたち、誰しもが狙うメジャー初戦はどんな戦いになるのか?それを探るべく、LPGA解説でおなじみの羽川豊プロ、小田美岐プロ、田中泰二郎プロの3名に聞いてみた。
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——いよいよメジャー初戦「ANAインスピレーション」が開催となります。優勝者が18番グリーンサイドのポピーズポンド(池)に飛び込むユニークなシーンも印象的な大会です。
羽川豊プロ(以下、羽川)「イベント性があって楽しいですよね。ミッションヒルズ・カントリークラブは4回くらいプレーしてますが、ラフからの芝が粘っこい。ある程度パワーがないとボールが出せません。あと、このコース、風が強い時は本当に大変です」
小田美岐プロ(以下、小田)「砂漠にありますからね。風が強いと何もしなくてもグリーン上のボールが動いてしまいます。また、ずっと同じコースで開催されているので、女性版『マスターズ』とも呼ばれています。メジャー大会で開催コースが変わらないのは、エビアン・チャンピオンシップとこのANAインスピレーションだけです」
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——昨年はツアー初優勝がいきなりメジャーの本大会、というペルニラ・リンドバーグ選手が制しましたが、今年も波乱が起きるのでしょうか?
小田「リンドバーグ選手に関しては、メジャーの重さをあまり知らないうちにさらっと勝ってしまった感がありますね。これまではトップ選手が勝っていた大会なので、昨年が珍しい展開だったと思います」
羽川「ちゃんと飛距離を出せて、ボールを止められる選手じゃないと勝てないコースですしね。技術が物を言う難関です」
田中泰二郎プロ(以下、田中)「まさにそうですね。ボールをちゃんとグリーンで止められるかが大きく勝敗を分けると思います。技術と実績を兼ね備えたトップ選手に有利なことは間違いないでしょう。昨年のような番狂わせは、起こりにくいとは思いますが……」
小田「そして、強い選手って不思議と予選落ちしないんですよね」
田中「カットラインをちゃんと超えてきますからね。トップ選手は、そもそも予選落ちなんて考えてプレーしてないでしょうから」
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——そんななかで日本勢の中でも現在、世界ランキング5位(3月18日時点)という自己最高位を記録している畑岡選手の調子はどう見られますか?
羽川「畑岡選手のショットは悪くないですし、課題があるとすればパッティングだけでしょう。ラインも距離感も良いのですが、惜しくもカップを外しているケースが見受けられます。グリーンでのフィーリングが合えば、間違いなくトップ争いに絡んでくるはず。やっぱりバーディを取らないと調子が出てこないですから」
小田「ミッション・ヒルズ・カントリークラブは飛距離が求められるところもありますが、畑岡選手のドライビングディスタンスであれば問題ないでしょう。パッティングだけ調整できれば、十分優勝の可能性はあります」
田中「すごくアグレッシブな選手ですし、それが上手く噛み合えば結果がついてくると思います。かなり高いレベルのゴルフをしているので、期待は大きいですよね。でも、いつもフルスロットルな選手なので、あまり気負いすぎなければいいのですが」
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