モトGPクラスでスズキのジョアン・ミルがワールドチャンピオンに「人生の全てを懸けて戦ってきた。本当に信じられない。」
オートバイのロード世界選手権・モトGPクラスでスズキのジョアン・ミル(23)=スペイン=が自身初のワールドチャンピオンに輝いた。15日の第14戦バレンシアGP(スペイン)で7位に入り、最終戦を待たずに決めた。スズキの選手が最高峰クラスの王者となるのは2000年に500㏄クラスを制したケニー・ロバーツjr(米国)以来、20年ぶりだ。
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チャンピオンを獲得したスズキのミル(スズキ提供)
「人生の全てを懸けて戦ってきた。本当に信じられない。笑っていいのか、泣いていいのか。感情が入り交じっているよ」とレース後の取材でミルは気持ちの高ぶりを抑えきれない様子だ。スズキにとっては初のチームタイトル。同社は今年が創業100周年の節目にあたり、鈴木俊宏社長は「2015年にモトGP復帰以来、数々の苦難を乗り越えて、一年一年着実に成長し、遂にチャンピオンを獲得したこのチームを誇りに思うと共に、次の100年に向けて、よいスタートを切ることができたと考えております」とのコメントを発表した。
昨季までは絶対王者と呼ばれてきたホンダのマルク・マルケス(スペイン)の独壇場だった。今季も開幕前は5年連続7度目のタイトルへ向けて大きな期待がかかったが、実質的なモトGP今季初戦となった第2戦スペインGPで転倒し、右上腕骨を骨折。それがケチのつけ始めだった。
早期復帰を目指し、患部に固定用のチタンプレートを埋め込んで続くアンダルシアGP(スペイン)に強行エントリー。痛みを押してフリー走行にも出走するも予後不良は否めず、決勝出走を断念した。ところが無理がたたって固定したチタンプレートにダメージを受けていたことがレース後に判明。再手術を余儀なくされ、その後は実戦復帰できなかった。
ホンダは5年連続26度目の製造者タイトルが今季かかっていた。それがマルク離脱で勝ち頭がいなくなり、ここまで表彰台が1度もないという異常事態となった。