カシメロの井上尚弥に対する“挑戦表明”にシラケムード。米メディアは冷ややか意見「現時点でイノウエの眼中にない」
王座に向けて突き進む井上(右)。そんな日本のカリスマ戦士との対戦に“悪童”カシメロ(左)は執念を燃やし続けている。(C)Getty Images
ボクシング界きっての“悪童”は、次なる獲物を明確に見据えている。
現地5月13日、ボクシングの元WBO世界バンタム級王者で、現在は同スーパーバンタム級5位のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)は母国でのWBOグローバル・スーパーバンタム級タイトルマッチに挑戦。ナミビア人王者のフィリップス・ンギーチュバに3-0(116-110×2、114-112)の判定勝ちを収めて王座を獲得した。
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階級は違えど、カシメロは元王者の実力は発揮した。6回にはカウンター気味に繰り出した左フックを豪快に炸裂させ、ンギーチュバが大の字に倒れるほどのダウンを奪取した。決着は判定となったが、母国のファンを熱狂させる積極果敢な戦いぶりだった。
昨年12月の赤穂亮(横浜光)戦以来となる試合で勝利に酔いしれた34歳のベテラン戦士は、試合終了直後のマイクで「次はビッグファイトだ」と宣言。これに呼応したファンから割れんばかりの井上コールを受けると、ニヤりと不敵な笑みを浮かべ、「俺はもう一度世界チャンピオンになりたいんだ。次の試合に関してはプロモーターに任せているが、イノウエとやれるかもしれない」とも語った。
カシメロの言う「イノウエ」とは他でもない、日本が誇る“怪物”井上尚弥(大橋)だ。昨年12月にポール・バトラー(英国)を撃破してバンタム級4団体統一の偉業をやってのけた30歳は今年1月に全ベルトを返上。そのまま、スーパーバンタム級に階級を上げ、来る7月25日にはWBC・WBOの同級王者であるスティーブン・フルトン(米国)との王座戦が予定されている。