実はドラフト会議2018「最大の隠し玉」 「田澤ルール」と田澤純一の今後
「隠し玉」ではないのだろうが。25日に行われたドラフト会議で、その選手の名前が呼ばれることはなかった。今季はエンゼルスでプレーした田澤純一投手である。
これによってこのオフはもちろん、来季2019年シーズン中も田澤が日本プロ野球(NPB)でプレーする可能性は完全に消滅した。
多くのファンは承知していると思うが「田澤ルール」というものがある。
将来有望な日本選手の青田買いや、日本球界の空洞化を恐れたルール。08年にドラフト有力指名候補だった新日本石油ENEOSの田澤がメジャー挑戦を表明した際に、12球団で申し合わされた。
「日本のドラフトを拒否して直接海外挑戦した選手は、日本に戻っても高校出身は3年間、大学・社会人出身は2年間、ドラフトで指名できない」
08年のドラフトから適用されている。
NPBの認識は、当然田澤にも適用されるというもの。ただ、法的な拘束力については多くの識者が疑問を突きつけている。田澤の挑戦表明後につくられたルールでもあり、将来的に12球団の申し合わせが覆される可能性もなくはない。
それでも、NPB球団に在籍経験のない選手が、ドラフト会議を経ないでNPB球団入りする道はない。田澤ルールうんぬん以前とした大前提条件だ。
田澤が前所属のマーリンズと結んだ2年契約は今季限りで、ワールドシリーズ終了後にはフリーエージェント(FA)となる。
今季は2チームでプレーし、計31試合で1勝1敗、防御率7・07。来季中に33歳を迎える年齢面からも、メジャー契約を勝ち取ることは難しいかもしれない。