W杯までに三笘薫は復活するか バイエルン移籍濃厚から残留した“日本のエース”の現況は?「成長曲線的にもっと上に行きたかった」【現地発】
ひとたびピッチに立てば、相手の守備網を切り裂くトリガーとなる三笘。指揮官の信頼も厚い名手は、復帰以降も徐々に存在感を示し始めている(C)Getty Images
“面白味”を失ったチームの希望に
復帰2戦目は、12月20日に行われた昇格組のサンダーランド戦だった。試合前の定例会見でヒュルツェラー監督は「カオル個人のスキルがチームに大きく役立つはずだ」と期待を込め、次のように続けた。
「1対1で彼を止めに行くのは難しいと相手は分かっている。だから二人がかりで止めに来ることになると思う。となれば、味方にマークの浮く選手が出てくるはず。それだけでもカオルの貢献は特大だ。そして何より、我々には彼のゴールが必要だ。彼はチームでもトップレベルの選手の一人だから、貢献度は非常に大きい」
そして、この試合でも、前節と同様に後半途中から30分程度ピッチに立った三笘は、スコアレスの状況で懸命にゴールを目指した。動きそのものは前節よりもシャープになったものの、乗り込んできたアウェーチームは指揮官の予想どおり、徹底マークを展開。さらにディフェンスラインを低く設定され、人数をかけた分厚い守備を崩せなかったブライトンは、スコアレスのまま、試合終了の時を迎えた。
そこから1週間後、敵地でのアーセナル戦にブライトンは挑んだ。試合前からシーガルズ(ブライトンの愛称)のサポーターやチーム関係者の多くが、このタイミングでの日本代表MFの先発出場を期待していた。しかし、蓋を開けてみれば、三笘はクリスマス期間中に体調不良となり、この日はスカッドにさえも含まれなかった。ノースロンドンでの試合後、ヒュルツェラー監督は「病気だ。長引くことなく、30日に行われるウェストハム戦での復帰を期待している」と言葉を振り絞った。
開幕から11月までのブライトンは、苦戦を強いられながらも勝点を重ね、一時はチャンピオンズ・リーグ枠獲得圏内となる4位にまで上昇した。一方で、試合内容を見てみると攻守に安定感を欠き、面白みのないサッカーが悪目立ち。加えて12月に入ってからは0勝2分3敗(ウェストハム戦前まで)。プレー自体に覇気がなく、順位も13位にまで急降下している。それだけに、三笘の完全復活が待ち遠しく、チームにとっては“希望”にさえなりつつある状況だ。
そして、アーセナル戦から中3日で訪れたウェストハム戦で三笘はスカッドに返り咲いた。ベンチからのスタートとなり、投入されたのは、58分。1点を追う場面だった。
ピッチに上がった直後から、三笘は積極的に仕掛けた。「途中から出る選手が勢いに乗せないといけないなと思ってましたし、ビハインドだったんで、やることも決まってたかなと思います」とは、試合後の本人の弁である。
59分には左サイドから左足でクロスを放り込み、直後の60分には果敢にドリブルを仕掛ける。対峙したウェストハムの右サイドSBカイル・ウォーター=ピータースとFWジャレッド・ボーウェンが二人がかりで止めに入り、ボックス内でボーウェンに足をかけられたと思われたが、ビデオ判定の結果、PKは与えられなかった。
さらにその数十秒後には、三度、三笘は仕掛けて、左足で上げたクロスは敵DFに当たってコーナーキックを獲得。ブライトンはこのCKをジョエル・ヴェルトマンの同点ゴールへと繋げた。






