なぜ持ち味のドリブルは減少? スーパーゴール連発の背景にある三笘薫の変貌「より簡単なゴールの方が難しい」【現地発】

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三笘の突破力はどのクラブにとっても魅力的なものだ(C)Getty Images

「タッチのところは全部完璧でした」と自画自賛したプレー

 去る2月14日、本拠地アメックススタジアムで行われたチェルシー戦。ブライトンの三笘薫は、観衆の度肝を抜く圧巻のテクニックで先制点を奪った。

 GKバルト・フェルブルッヘンが自陣からけり込んだロングフィードを、絶妙なファーストタッチで足下に収めた三笘は、直後の2タッチ目で並走していたDFトレバー・チャロバーを置き去りに。そのままゴール前に駆け込み、最後は右足で鮮やかなフィニッシュ。

【動画】永久保存のスーパーゴール 三笘薫のチェルシー粉砕弾をチェック

 試合後の囲み取材で「タッチのところは全部完璧でした」と自画自賛したプレーは、YouTubeやSNS上で何度も取り上げられ、イングランド国内や日本のみならず、世界のサッカーファンをも興奮させた。

 日本が生んだ天才ウインガーの片りんを再び見せつけた三笘。一方で、今シーズンのパフォーマンスを一言で表現するなら「ハードワーク」。さらに加えるとすれば「献身」の方が当てはまる。

 どちらもチームへの地道な貢献を連想させるワードだが、「チームの勝利が第一」という言葉を頻繁に使っている本人の言動を考えると至極自然なのかもしれない。常にフォア・ザ・チームを強調する、それが2024-25シーズンの三笘だ。

 開幕戦のエバートン戦後、三笘は昨夏に就任したファビアン・ヒュルツェラー監督から「特に守備のところは全員求められている」と告白。「そこをやった上で前線で違いを出すっていうところ。よりポジショニングだったり、守備の立ち位置はよく言われますね」と話していた。

 一連のコメントからは指揮官が選手たちに「規律」や「勤労」を日常的に要求する姿が容易に想像できる。そしてこれこそが、27歳の日本代表MFがここまでリーグ戦全試合で起用されている最大の理由といっても過言ではない。

 シーズン開幕から間もない10月。英衛星放送『Sky Sports』のインタビューに応じた指揮官は「規律を重んじる」と強調し、加えて「Togetherness(一体感・連帯感)が私のアイデアであり、私のモットーだ」と断言。さらに昨年12月、サッカーに特化したYouTubeチャンネル『Rising Ballers』で、ドイツの古豪FCザンクトパウリを指揮した時代に成功できた理由を聞かれた際、自身のフィロソフィーを以下のように説明している。

「みんなが納得するようなアイデンティーの形成が大事。コミュニティーのような、連帯感も大切になる。そして、私にとって最も重要で欠かせないエレメントがワークエシック(労働倫理=仕事に対する姿勢)。何かを達成したいのであればハードワークをしなくてはならない。短期間で達成することはできないが、ハードワークに勤しめば1年、1年半で大きなことを達成できる。しっかり守ることから始めるのが第一で、そこからポゼッション時には試合を支配することを目指した」

 同じく昨年末のプレミアリーグの公式サイトでは、現役時代にアーセナルに所属し、現在はメディアでデータ解析を行っている戦術アナリストのエイドリアン・クラーク氏がヒュルツェラー監督指揮下のブライトンを分析。「強い労働倫理を植え込んでいる」と題された章では、次のように論じている。

「ヒュルツェラー監督のブライトンには、新鮮なエネルギーを感じる。おそらくそれは、指揮官自身の若さとやる気から伝導しているのかもしれない」

「プレミアリーグのクラブにおいて、90分間毎でブライトン以上の走行距離を記録しているのは、昇格組のイプスウィッチのみ。シーガルズ(ブライトンの愛称)イレブンの一試合平均の走行距離は112.1kmである。選手たちのランのインテンシティー、それこそが昨シーズン、前任のロベルト・デゼルビ前監督下のチームとの決定的な違いといえる」

「よりテンポ良い走り出しでゲームに臨み、選手たちは一試合平均152.4本ものスプリントをしている。昨季は同123.1本でリーグ18位だったが、今季は同6位である」

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