19年前に何が決断させたのか 中田英寿が語る電撃引退の理由「“新しい人”が自分を導いてきた喜びを奪った」

世界中で愛され、尊敬されていた中田氏。だからこそドイツ・ワールドカップ直後の引退は衝撃的だった。(C)Getty Images
今から19年前の夏。「日本サッカー界のカリスマ」と称された中田英寿氏は、キャリアの最盛期にあった29歳での現役引退を決めた。
1998年にベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)からセリエAのペルージャに移籍し、世界にその名を知らしめた中田氏。ユベントス戦での鮮烈なゴラッソという華々しいデビューとともに始まった彼の欧州サッカー界でのキャリアは、2000-01シーズンにローマで経験したスクデット獲得など、イタリアとイングランドで長く続いた。
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しかし、その時は突然、訪れた。2006年のドイツ・ワールドカップで日本代表のグループステージ敗退が決まった直後に中田氏は現役引退を公表。その決断は、列島はもちろんのこと世界をも驚かせた。
ドラマチックさすらあった引退劇。その決断に至った理由は何か。中田氏が自ら語った。
現地時間2月5日にイタリアのカルチャー雑誌『Rivista Undici』のインタビューに応じたレジェンドは、「自分がサッカーを始めたのは、まだJリーグもなかった頃だった」と切り出し、キャリアに幕を閉じた背景を振り返っている。
「日本はワールドカップに出たことがなく、プロになる夢もなかった。二次的な目的なしに、好きだからというだけでプレーしていた。でも、サッカーはどんどん大きなビジネスになっていった。プロの世界に“新しい人”がたくさん入ってきた。そういったすべてが、キャリアにおいて自分を導いてきた喜びを奪ったんだ」