「田中圭24時間テレビ」現場で見えた田中圭の「勉強力」 田中大貴アナ連載
「田中さん、原稿てどうやって読んでるんですか?」
深夜の路上の場面も、早朝の公園のシーンも、気温が2~4度という屋外での収録が何度もありました。眠気と疲労から集中力を欠くような時間帯でも、最後の最後までセリフが詰まる、言葉を噛む、言いよどむ、ということが一度もなかった。アナウンサーという立場から見ても恐ろしい程、高い技術でした。
番組スタートから20時間後の僕がキャスター役でニュースを読むシーンがありました。収録の合間、「田中さん、原稿てどうやって読んでるんですか?」と田中圭さんが僕のところにやって来て、キャスター台でニュースを読み始めました。
「なるほど、原稿の文章の区切りは、こうやってペンでマークして読んでるんですね」と言いながら、ニュースを読み…、上手かった…。
「圭さん、アナウンサー役も十分いけますよ」というと「ムリムリ(笑)」と言いながら、笑顔で「勉強になりました」と。色んなものを吸収しようとする姿も印象的でした。
長く俳優をやってきて、芽が出ない頃に周囲の気遣い、共演者から吸収しようとする姿勢、いかなる環境でも最高のものを作るということを学んできたのだと知らされました。
そして、何よりも、人と比べるのではなく、自分は自分であり、自分のやるべきことを長く続けることが「自分らしさ」を生み、想いは成就するというメッセージをもらった24時間でした。
「田中」という姓で良かったと、こんなにも思う1日はありませんでした。
田中圭さん、スタッフの皆様、思い出に残る仕事に出会わせて頂き、本当に有り難うございました。田中圭24時間テレビは、これからの自分の人生に生きる「伝説の24時間」でした。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文:田中大貴]
田中 大貴 (たなか・だいき)
1980年4月28日、兵庫県小野市生まれの38歳。小野高では2年から4番で打線の主軸を担った。巨人・高橋由伸監督にあこがれてか慶應義塾大学 へ。4年春に3本塁打でタイトルを獲得。フジテレビ入社後は主に報道・情報番組とスポーツを担当。「とくダネ!」「すぽると!」ではバンクーバー五輪、第2回WBC、北京五輪野球アジア予選、リオ五輪キャスターなど様々なスポーツイベントを現地からリポートした。