苦しい状況だからこそ増す存在感 日ハム・杉谷拳士の「愛され力」とは
最下位に低迷する日本ハムで杉谷拳士内野手(30)が存在感を発揮している。
11日のオリックス戦では左腕・宮城の直球をとらえ、2号ソロをマーク。試合は大敗したものの、かつての本拠地・東京ドームでの一発に「東京ドームで『魂』を見せることができてうれしい」と笑顔を見せた。7日の楽天戦で涌井から放った1発に続き、ここ5試合で2本塁打と調子を上げてきている杉谷について栗山監督も「状態を魂が押し上げている。チームに一番、必要なのはああいう思い」となかなかチーム状況が上向かない中で懸命な姿を見せるベテランに最敬礼だ。
また杉谷といえば、そのチャーミングな人柄から球界きっての「愛され力」で知られる。有名なのは西武のウグイス嬢を務める鈴木あずさ氏(球団職員)との交流だ。「杉谷選手渾身の打球がまれにスタンドに飛び込む場合がございます―」、「テレビで見るより3倍爽やか、杉谷拳士選手です―」など、メットライフドームで行われる西武・日本ハム戦前の打撃練習時の愛情あふれる『口撃』は今や球界名物ともいえる。
このやり取りが始まるきっかけは杉谷からの依頼にあったという。当初はとまどったというが、野球ファンを喜ばせるためならと鈴木氏も快諾。ちなみにシーズン前には杉谷から鈴木氏の元に、お菓子の付け届けと、そのシーズンの目標など『個人情報』が届くという。また杉谷がスタメンのときにはプレッシャーをかけないように、アナウンスも控えるなど、球団の垣根を越えて応援されている。