「芝をちょっと短くできないですかね」――独走Vを生んだ藤川球児監督の“隠し味” 阪神園芸部長が証言した沖縄での言葉

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現役時代に虎の絶対的守護神として活躍した藤川監督。だからこそ、その言葉には「説得力」も生まれる(C)Getty Images

守護神・岩崎が「救われた」と漏らした指揮官の言葉

 藤川監督は、“言葉”でも選手をうまく操縦した。

 現役時代は阪神の絶対的守護神としてNPB通算243セーブを挙げた藤川監督。百戦錬磨の指揮官だからこそ説得力を持つ“フォロー”が垣間見えたのは、8月に岩崎が痛打を許した1日と23日のヤクルト戦だった。

 ともに9回に同点を許したものの、チームは延長戦で勝利(1日)、引き分け(23日)と負けなかった。そんな中で左腕は指揮官からこんな言葉をかけられたという。

「同点で止めたことはそれはOKだから」

 追いつかれた事実は確かに痛恨ではあったが、そのまま勝ち越されていれば、2試合ともサヨナラ負けの場面。失点を引きずらずにいれば、試合は振り出しに戻っただけでまだ“生きた”状態だった。

 岩崎も「その2試合で白星を消してしまった伊藤将司には謝るしかできませんが、監督の言葉で救われた部分もあったし、前を向くことができた」と振り返っている。何を隠そう、過酷な9回のマウンドに幾度となく上がってきたのが、藤川監督自身。重圧、心情は痛いほど分かるからこそ“同点でOK”という言葉には説得力があったのだ。

 タクトを振る指揮官としての目線だけでなく、長年チームの勝敗を背負うマウンドに上がってきた守護神としての目線も織り交ぜながらひたすら勝ちに徹してきた。しかし、同時に藤川監督は、ヘッドコーチ不在、コーチ経験なしでの監督就任といった周囲の不安を、選手の健康、情報管理といった卓越したチームマネジメントの徹底で払拭して見せた。

 来季以降を見据えれば、黄金期到来も感じさせる阪神。球団初のリーグ連覇、今秋なし得なかった日本一という目標へ2026年も疾走は止まらない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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