ティリ新体制の男子バレーは不本意な船出に…“4強を逃した”ネーションズリーグで収穫はあったか?

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 また新たに抜擢されたメンバーたちも、各々が持ち味を発揮した。セッターの大宅真樹(日本製鉄堺ブレイザーズ)は国内リーグで積み重ねてきた経験値を安定感あるトスワークへ昇華。身長205センチを誇る長身ミドルブロッカーの佐藤駿一郎(WD名古屋)はすでに2022年の世界選手権を経験しているとはいえ、今年の代表活動ではその秘めたるポテンシャルが解放される、そのきざしを感じさせた。

 同じくミドルブロッカーでは2024-25 大同生命SVリーグでトップブロッカーに輝いた西本圭吾(広島サンダーズ)が代表でも攻守においてアクセントになった。西本は身長189センチとミドルブロッカーとしては小柄な部類に入るものの、ポーランド戦では最終第3セットにブロックシャットを決めてみせる。その際にスタンドにむかってこれでもかと吠えたわけだが、それも西本の平常運転。パフォーマンスでガッツを表現する選手は西田を筆頭に男子日本代表に多くいるが、西本もその系譜に堂々と名を連ねた。

 すでに実績十分の宮浦に大宅、リベロの小川智大(サントリー)らが主力を張り、佐藤や西本といったニューフェイスも力を示した。それが今回のネーションズリーグの収穫といえるだろう。

 残念ながら目標への道半ばで戦いは幕を閉じたわけだが、「1週間ほどの休暇を経て、世界選手権への準備をしたい」とティリ監督。パリ五輪そして今大会と準々決勝突破の壁は今なお厚く、高く立ちはだかるが「世界選手権でも表彰台を目指して戦うことに変わりはない。今日(ポーランド戦)以上に厳しい戦いになると思うが、それでこそ強くなる」と石川キャプテンも言葉に力を込める。今後は国内合宿を行い、9月上旬に設けられたブルガリア、イタリアとの壮行試合を経てフィリピンでの世界選手権に臨む。今回の敗北を糧に、さらにはここからチームをより成熟させて再び世界との戦いへ――。

[文:坂口功将]

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