【リーグワン】BL東京とS東京ベイのプレーオフ決勝はまさに頂上決戦 どちらが“カラー”を強く出せるか

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 5月25日の第2戦は、シーズン2位でリーグワン初年度王者の埼玉ワイルドナイツ(以下埼玉WK)と、S東京ベイとの対戦。この両チームはいずれも強力なフィジカルを活かしたタフなディフェンスからの逆襲を得意としており、各局面で濃密なフィジカルバトルが展開された。

 バトルそのものはほぼ互角だったが、勝敗を分けたのはほんのちょっとした勝負勘の差。開始早々のマルコム・マークスのトライはWK埼玉の密集サイドディフェンスが整わないうちの速攻で奪ったものだったし、前半10分のトライも埼玉WKSOの山沢京平のキックに恐れることなくチャージに行った藤原忍の果敢さが産んだものだった。『JSports』の解説後藤翔太氏が「両チームともに、グラウンドのどこの地点でもゴール前5メートルと同じようなフィジカルバトルを展開させる」と語っていた通りの、一瞬たりとも気を抜くことができない展開が80分間続くなか、S東京ベイは開始早々の二つのトライで得たアドバンテージを最後まで手放すことなく、28-24で激戦を制した。筆者はフィジカル勝負なら埼玉WKに分があると予想していたのだが、見事にその予想は覆された。

 決勝は、相撲に例えて言うなら「組んでS東京ベイ、離れてBL東京」とでもなるだろうか。セットプレー並びに密集からのピックアンドゴーが多発し、複数人数でのユニットで戦うことが多くなればS東京ベイが、BKにボールが回り、個々人のランプレーが多い展開になるのならリッチー・モウンガという世界屈指の司令塔に率いられた、決定力の高いBK陣を有するをBL東京が’優勢に試合を進めることになるだろう。

 その上で勝負の分岐点となるのはミスの多寡となると予想する。BL東京は準決勝で相手がシンビンで一人少なくなっているスクラムで押し込まれたり、ラインアウトで2回キレイにスチールされるなど、セットプレーにやや不安材料を残している。ミスが多くなればセットプレーの機会が増える。S東京ベイは定評ある埼玉WKのスクラムを度々押し込んでいたし、南アフリカ代表マルコム・マークスや日本代表候補の江良颯がスローワーを務めるラインアウトも安定している。また準決勝で50メートル近い距離のPGを2本決めたハラトア・ヴァイレアのような「飛び道具」もある。

 どちらがミスなく自分のカラーをより強く出せるのか。いずれにしても、今シーズンの締めくくりにふさわしい熱戦を期待したい。





[文:江良与一]

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