西武のドラフトが示す「V字回復は5年後」見えた高卒逸材を育てる意識と長期的強化プラン
西口監督が指揮を執る新チームの課題は明白。打率.212に沈んだ打撃だ(C)産経新聞社
ふたを開けてみれば「即戦力ドラフト」にはなりませんでした。
今季のパ・リーグで49勝91敗3分けの勝率.350と最下位に沈んだ西武です。かつての常勝軍団は歴史的な敗北を喫しましたが、来季は西口文也新監督のもと、心機一転、再浮上を目指します。
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補強ポイントはもちろん、12球団最下位のチーム打率.212に沈んだ打線にあります。ドラフト前は当然、即戦力の打者を補強すると予想されていましたが、結果的には指名した支配下7人、育成4人の計11人のうち、高校生が過半数の6人を占め、将来性を重視したドラフトとなったのです。
スポーツ紙のアマチュア野球記者は言います。
「1位には競合覚悟で明治大のアマ球界ナンバーワン遊撃手・宗山塁を指名しましたが、5球団競合の末、クジを外します。すると外れ1位では地元・埼玉の逸材内野手、花咲徳栄の石塚裕惺を指名。2球団による抽選を経て、巨人に交渉権を持って行かれました。最終的に指名したのは金沢の斎藤大翔。『ポスト源田』にふさわしい、評判のショートストップですが、即戦力というタイプではない。『西武は来季をどう戦うかではない、5年後の黄金時代到来を踏まえたドラフトを展開しているんだな』と理解した瞬間でしたね」