10・10決戦を制したロッテ 原動力に「勝利の女神」の存在
吉井監督も谷保さんに感謝の気持ちを示していた(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
ロッテをリーグ2位に導いたのは今季限りで場内アナウンス業務を引退する球団職員の谷保恵美さんの存在も大きかった。ウグイス嬢として33年にわたって球団の「声」として支えてきた陰の功労者だ。10月7日のオリックスとの本拠地最終戦戦がレギュラーシーズン最後の業務だったが、クライマックスシリーズ(CS)に進出すれば、再び放送室に入ってアナウンスを「延長」できるという状況だった。
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そのオリックス戦で勝てば、自力でのCS進出を決められたが、まさかの黒星を喫してしまい、決着は10日の楽天とのパ・リーグ最終戦(楽天モバイルパーク宮城)にもつれ込んだ。9日は雨天中止となり、10日も降雨で試合開始が30分遅れ、しかも敵地・仙台での試合。選手らも体調管理に苦労したもようだ。
しかし、谷保さんの”引退”をできるだけ伸ばしたい、日本シリーズでも名前をコールしてもらいたい、とチームが一丸となって戦い抜き、5―0で勝利。CS進出を決めただけでなく、ソフトバンクを勝率1毛差で上回って2位を獲得し、ソフトバンクと激突するCSファーストステージの本拠地開催権まで手にした。
谷保さんが引退を公表したのは9月26日。その翌日からチームは最終戦まで7勝3敗と快進撃を続けた。今季は一時、最多13の貯金をつくったが、そこからずるずると負けが込み、最終盤でまさかの借金生活に。このままさらに失速してもおかしくなかったが、最後の最後に勝利で締めくくったのは「谷保効果」だったといえよう。