「自分がやるんだ」が伝わるエース 「成長した」と実感する石川真佑は”勝負を左右する一打”を決めきれるか?【パリ五輪】

タグ: , , , , , 2024/7/28

メダル獲得には彼女の活躍が欠かせない(C)Getty Images

 その課題を克服するために、選んだのが海外リーグ挑戦だった。2023年春にプロ転向を表明し、2023-24シーズンはイタリア・セリエAでプレーすることを決断。そうして入団先のフィレンツェでエースを任され、レベルアップに励んだ。

 その成果は今年の代表活動で確かに発揮された。最たる例はネーションズリーグファイナルラウンドの準決勝ブラジル戦だろう。マッチポイントで託されたトスをストレート方向に打ち、ブロックアウトを奪ってみせた。

 結果として女子日本代表を史上初めてネーションズリーグの決勝へ導く1点となったわけだが、石川が“決めきる力”を身につけた様子は、それより前に見られた。日本で開催された予選ラウンド第3週アメリカ戦のこと。試合自体はストレートで敗れたが、その最終第3セット、23-24のもうあとがない場面で石川は同様にブロックアウトで得点している。それは、石川が何度も味わってきた悔しさを振り払った瞬間だったかもしれない。

「イタリアから帰ってきて、ほんとうに頼もしく思います。アタックの引き出しも増えましたし、何より『何より自分がやるんだ』という気持ちがすごく伝わってきます」と話したのは、そのトスを託したセッターの関菜々巳。当の本人も――。

「自分が最後決めきれないケースが多かったので。その課題と向き合ってきて、一つクリアできたことは自分が成長したのだと思えます」

 負けた悔しさは当然あって、表情は固いままだったが、そう話す石川がきゅっと締めた口元からは安堵と自信が宿っているように感じられた。

 エリート街道を突き進んできたように見えるが、ときには大粒の涙を流し、何度も壁を乗り越えてきた。そうして進化してきた姿をぶつける戦いが今、花の都で幕を開ける。





[文:坂口功将]

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